国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンの森林問題担当の尾崎由嘉とグリーンピース・インターナショナルの森林問題担当のクリストフ・ティ-ズは、今月2月9日よりマレーシア、クアラルンプールで開催される「生物多様性条約第7回締約国会議(CBD COP7)」に向けて、小池百合子環境大臣に、「2010年までに、保護地のネットワーク確立することを目指す厳格な目標とスケジュール策定を支持すること」などを訴える 要請書 を本日、提出した。グリーンピースは、要請書と共に、日本市場が深く関わる原生林破壊問題のうちの一例として、マレーシアの伐採企業リンブナンヒジャウ社の実態を示したグリーンピース調査レポート 「The Untouchables: Rimbunan Hijau’s World of forest crime and political patronage (英文)」 なども提出した。

グリーンピースは、 生物多様性条約会議を重要視しており、地球上の生物多様性について話し合われるこの国際会議に向け、わずかに残された原生林に迫る危機と海洋資源の枯渇という二つの問題に取り組んでいる。生物多様性の保全、先住民族の権利および文化的多様性の確保には、各国政府が十分な資金を割り当てることが必要であると同時に、脆弱な環境域における大規模な産業活動を規制し、有効な管理体制と法的強制力に裏付けられた保護地のネットワークを、2010年までに陸上と海の双方で確立することが必要であると各国に強く働きかけている。

グリーンピース・ジャパンの森林問題担当、尾崎由嘉は、「多様な生態系を支える原生林は、主に大規模な商業伐採などが原因で急速に破壊されてきており、莫大な量の木材や紙製品を消費する日本は、この会議の場において日本政府がイニシアチブを取るよう求めているこの会議の場で、早急に、有効な保護地のネットワークを確立する対策が必要とされている。」と語った。

グリーンピース・インターナショナルのクリストフ・ティ-ズは、「世界の豊富な生物多様性は、人類出現前のレベルに比べると、およそ100‐1,000倍という速度で失われているといわれており、その機能、相互作用、生物圏の維持の上での役割と価値は十分に把握されていないままに失われつつある。」と語っている。



(注1)
グリーンピースは、前回、2001年のCBDCOP6で表明された2010年目標「締約国は、世界的にも、地域的にも、また国レベルにおいても、現在の生物多様性の喪失の速度を大幅に抑止させること」(ハーグ閣僚宣言)を実現させる為に、今回のCBDCOP7の重要な議題の一つとして討議される「保護地」に関する作業計画策定に注目している。 詳細は 「グリーンピースの要求」(2004年1月:PDFファイル) 参照。


[写真]調査レポート表紙
(注2) グリーンピース調査レポート
「The Untouchables: Rimbunan Hijau’s World of forest crime and political patronage(英文)」
リンブナンヒジャウ社は、パプアニューギニアをはじめ、ガボン、赤道ギニア、マレーシア、バヌアツ、インドネシア、ロシア、ニュージーランドでの森林伐採事業を支配しており、世界各地で森林破壊を進める最大級の企業のひとつである。行なわれる事業には、数多くの違法行為と環境破壊の記録がある。グリーンピース・調査レポート「The Untouchables: Rimbunan Hijau’s World of forest crime and political patronage(英文)」は、こうしたリンブナンヒジャウ社による先住民族の権利の侵害や政治腐敗などについて批判している。
ダウンロードページ(英文)


関連URL
・グリーンピース・ジャパン森林問題サイト

お問い合わせ
◆グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817
森林問題担当  尾崎由嘉
広報担当     城川桂子