三重県の野呂昭彦県知事は、1月6日に行われた定例会見「年頭あいさつ」 ( 注1 )の中で、将来的に発生抑制を中心とし、ごみを燃やさずにすむような「ごみゼロ社会」の構築を目指すことを明言した。同知事は、昨年8月に発生したごみ固形燃料(RDF)発電所爆発事故を受けての9月定例議会 ( 注2 )において、「ごみゼロ社会」の構築を目指すという答弁をしており、その後11月に「『ごみゼロ社会』実現に向けた基本方針」 ( 注3 )を発表し、12月の全国都道府県知事会議でも「『ごみゼロ』社会の実現について」 ( 注4 )として小泉純一郎首相に国の協力を依頼している。

グリーンピース・ジャパンは、これらの発表に見られる三重県知事の姿勢を、グリーンピースが言うところの「ゼロ・ウェイスト」に合致する方向性として高く評価し、歓迎する。今後ごみの発生抑制を中心とし脱焼却、脱埋め立てを目指した「ごみゼロ社会」への取り組みが実現化されていくことを大いに期待する。

しかし、同定例会見で野呂知事はRDF発電所再開に関して、「長い将来的には、そういったごみを燃やすというような形のものは、ぜひ克服して、もうそういったものがなくても循環型社会としてやっていけるという社会を実現するということが目標ですね。」と述べ、操業停止を視野に入れるとしつつも、市区町村からの要請が強いことを理由に住民の理解を得た上で再開する意向も示している。

この件に関してグリーンピース・ジャパンは、RDF発電所爆発事故直後の昨年9月、三重県知事宛てに、ゼロ・ウェイストの考え方を採用していくことと、RDF施設の操業中止を求める要望書を提出している。(注5 詳細は2003年9月1日付け、 プレスリリース を参照)

「三重県知事の、『ごみゼロ社会』に向けた強いイニシアチブを歓迎する。しかしながら、RDFに関しては地元の懸念も強く、抜本的な解決にはならないことを鑑み、是非早急な操業停止への具体策に着手して欲しい。県レベルとして全国初めての『ごみゼロ社会』への道を選択し、達成目標年度の明確化、プラン作成の早期実現などで具体化させていく『ゼロウェイスト政策』へと発展させ、日本のごみ政策を変えていく原動力となってほしい。」(グリーンピース・ジャパン、有害物質問題担当 佐藤潤一)

今後もグリーンピース・ジャパンは、三重県の『ごみゼロ社会』への取り組みが具体化するように働きかけていく。


注1
三重県知事定例会見での発言(2004年1月6日:三重県のサイトより)

注2
三重県9月定例議会での発言(2003年9月24日)

注3
三重県「ごみゼロ社会」実現に向けた基本方針(2003年11月発表:三重県のサイトより)

注4
全国都道府県知事会議「『ごみゼロ』社会の実現について」(2003年12月1日:三重県のサイトより)

注5
「三重県はごみ発電の見直しより、ごみ政策の見直しを」(2003年9月1日)
(グリーンピース・ジャパンプレスリリース)


関連URL
ゼロ・ウェイスト政策参考文献
『ゴミポリシー ~燃やさないごみ政策「ゼロ・ウェイスト」ハンドブック』

グリーンピース・ジャパン・ゼロ・ウェイストWebサイト


お問い合わせ
グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話 03-5338-9800  FAX 03-5338-9817
有害物質問題担当  佐藤潤一
広報担当  城川桂子