【イタリア、ミラノ発】ミラノの気候変動会議に出席中のグリーンピースとWWF(世界自然保護基金)は、12月3日、ロシアの大統領補佐官が述べた京都議定書を否定する見解に対し、次の日曜日に予定されているロシア連邦議会の下院選挙を意識した発言でしかないとの共同見解を発表した。

ロシアのアンドレイ・イラリオノフ大統領補佐官(経済担当)は12月2日、京都議定書について、現在の形では、ロシアの経済成長にとって重大な制限要因になるとし、現時点でロシアの批准はないと確信していると述べた。

これに対し、WWFロシアの気候変動プログラム責任者であるアレクセイ・ココーリンは、「イラリオノフ補佐官の発言は、単にモスクワでの選挙をにらんだ政治的駆け引きでしかなく、ロシアが実際に批准するかどうかについて何ら重みを持つものではない。イラリオノフ補佐官は、プーチン大統領やロシア政府のために発言しているのではない。彼はこれまで、いくつもの事態の予測に失敗しており、今回もその一例にすぎない。彼の発言は、今年5月に採択されたロシアのエネルギー政策に反するものであるし、さらに、最近採択されたばかりのGDPの成長に向けた経済計画に水を差すものでもある」と語った。

グリーンピース・インターナショナルの気候変動キャンペーン担当者であるスティーブン・ギルボートは、「イラリオノフ補佐官の言葉は、アメリカ政府の耳には心地よく響くかもしれないが、京都議定書を葬り去るにはほど遠いものだ。ロシアの姿勢を語れるのはプーチン大統領であって、官僚ではない。プーチン大統領は過去数カ月の間に、いくつもの見解を示し、ロシアが議定書を批准するであろうことを再確認している」と、語っている。

ロシア連邦議会の下院議員選挙は、12月7日(日)に実施される。また、ロシア大統領選挙は、2004年3月に行われる。ロシアは、これらの選挙が終了した時点で批准を行なうと、グリーンピースとWWFは見ている。


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