来る9月10日からメキシコのカンクン市で開かれる、世界貿易機関(WTO)閣僚会議を前に、グリーンピース・ジャパンは、「メキシコでの第5回WTO閣僚会議での貿易と環境についてグリーンピースの見解と要望」と題した書簡(添付資料参照)を、小泉純一郎内閣総理大臣、川口順子外務大臣、亀井義之農林水産大臣、平沼赳夫経済産業大臣、鈴木俊一環境大臣、に宛てそれぞれ送付した。

書簡の中でグリーンピースは、カンクン閣僚会議に期待し要望する主要点として以下の3点を挙げている。

WTOが根本的に正当性を欠き、現在のWTO交渉の軌道は受け入れがたいものであることの認識。
真に持続可能な開発への道を開く国際貿易の役割は、WTOの枠外で、できれば国連の後援のもとに検討されるべきであること。

WTOの委任事項を拡大しない、すなわち新案件の交渉を開始しないこと。

遺伝子組み換え生物に関する米国の提訴を世界的に拒否し、2003年9月11日に発効するカルタへナ・ バイオセイフティ議定書と共に、すべての国際的環境協定を再確認すること。

なお、「2003年9月10日から14日にメキシコのカンクンで開かれる第5回WTO閣僚会議への指針」と題するブリーフィングペーパー(PDFファイル:137KB)も要望書と同時に送付された。

お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11N.Fビル2F
TEL:03-5338-9800
FAX:03-5338-9817
キャンペーン部長 福田未来子
広報担当     城川桂子
http://www.greenpeace.or.jp

<添付資料>
グリーンピースよりの書簡
2003年9月8日

内閣総理大臣 小泉純一郎様
外務大臣 川口順子様
農林水産大臣 亀井善之様
経済産業大臣 平沼赳夫様
環境大臣 鈴木俊一様
グリーンピース・ジャパン
事務局長:木村雅史
キャンペーン部長:福田未来子
〒160-0023
東京都新宿区西新宿8-13-11
N.Fビル2F
TEL:03-5338-9800
FAX:03-5338-9817
http://www.greenpeace.or.jp/

メキシコでの第5回WTO閣僚会議での貿易と環境について
グリーンピースの見解と要望

9月10日から14日まで、メキシコのカンクンで開かれる第5回WTO閣僚会議にむけて、グリーンピースの一連の説明資料をお送りします。

第5回WTO閣僚会議は、多国間制度の信頼・正当性の危機が深まるなかで開催されます。WTOはこの正当性の危機の中心となっています。

貿易の自由化を他の正当な政策目標に優先するWTOの偏向が、この正当性の危機の主要因です。シアトル会議以来私たちは、WTOの交渉プロセスを企業が支配していることと並んで、説明責任と透明性の欠如を糾弾してきました。今日WTOの正当性の危機は、人々の権利と環境保護を促進する持続可能開発の約束を果たせないことで、さらに増大しています。

ドーハ・マンデートで認められているようにWTOと多国間環境協定との関係をWTO内で協議することは、多国間環境協定および各国の環境と人々の健康を保護する能力に対する重大な脅威です。そのためWTOは多国間環境協定と貿易ルールを協議する適切な場ではないと、私たちは考えております。それゆえ、メキシコのカンクンで9月5~7日に開催される「地球上の生物多様性に関するフォーラム(GBF)」第18分科会、およびメキシコ政府が2003年9月9日に開催する「貿易と環境に関するハイレベルラウンドテーブル」でのGBFの結果についての議論を私たちは仔細に監視してゆきます。貴殿が大臣として、カンクン閣僚会議を日本国政府の現在の多国間環境協定システムへの支持を確認する機会としていただきたいと考えております。この会議が、環境と無防備な地域社会を保護するための、30年にわたる国際的協定と努力とをWTOによって弱体化する道具として利用されてはなりません。

グリーンピースは、環境を守るために築かれた多国間ルールに基づいた貿易制度を支持し、この分野での成果を覆すことに反対しています。遺伝子組み換え生物の認可に関する米国のEUを相手取った今回の提訴は、WTOによる現在の企業主体のアプローチが、環境基準と国際貿易間の軋轢を解決する能力を欠いていることを示しています。

WTOが根本的に正当性を欠き、現在のWTO交渉の軌道は受け入れがたいものであることの認識。
真に持続可能な開発への道を開く国際貿易の役割は、WTOの枠外で、できれば国連の後援のもとに検討されるべきであること。

WTOの委任事項を拡大しない、すなわち新案件の交渉を開始しないこと。

遺伝子組み換え生物に関する米国の提訴を世界的に拒否し、2003年9月11日に発効するカルタへナ・ バイオセイフティ議定書と共に、すべての国際的環境協定を再確認すること。
添付資料:グリーンピース・ブリーフィングペーパー
2003年9月10~14日にメキシコのカンクンで開かれる第5回WTO閣僚会議への指針
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