グリーンピース・ジャパンは、明日7月30日(水)に東京電力から担当者を招いて、「需給調整契約説明会」を開く。「需給調整契約」は、東京電力が500kW以上の大口電力消費者を対象として午後1時から4時のピーク時に使う電気を減らすかわりに料金を割引する契約のこと。5月と6月に東電が行った需給調整契約拡大キャンペーンでは、大型の原子力発電所1基分以上にあたる140万kwが削減されている。グリーンピース・ジャパンは、東京電力のキャンペーンにはさらに拡大の余地があるとして、7月より「需給調整契約を増やそう」と、企業、大型施設、学校などに呼びかけてきた。同時にグリーンピース・ジャパンの行った調査で、需要管理によるピークカットのさらなる可能性があることが明らかになった(注2:7月28日現在の中間調査結果)。30日の説明会では、東京電力の担当者をグリーンピース・ジャパンの事務所に招き、「需給調整契約とは何か」、そのメリット、ピーク時の電力消費の減らし方などを説明してもらう。同説明会の詳細は以下の通り。

「需要調整契約説明会」

日時:
7月30日(水) 午後1時半~3時頃まで
説明者:
東京電力株式会社 新宿支社
場所:
グリーンピース・ジャパン事務所 地図
最寄り駅: 営団地下鉄丸の内線「西新宿駅」徒歩4分、JR、京王線、小田急線 新宿駅徒歩15分
電話: 03-5338-9800 FAX: 03-5338-9817
住所:〒160-0023 東京都新宿区西新宿 8-13-11 N・Fビル2F
グリーンピース・ジャパンでは、都内の百貨店、ホテルの加入状況を調査しており、あわせて「需給調整契約」を奨励していくことにしている。

又、グリーンピース・ジャパンは、今年の夏を振りかえるシンポジウムを9月13日に開催する予定。このシンポジウムでは、夏の節電対策を振りかえり、今後の電力利用のあり方を考える。場所は東京青山のウィメンズプラザの予定。

(注1)「需給調整契約」:「需給調整契約」とは、午後の1時から4時といった電力消費のピーク時に、使う電気を5%~10%など減らすかわりに料金が割引になる契約(500kW以上の大口消費者が対象)。最もピークを作り出しているビルや店舗などの業務系の電力利用者が多くの大口消費者が結ぶことで効果のある需要対策となる。

(注2)グリーンピース・ジャパンは、東京23区内の官公庁、区役所、大学、百貨店、ホテルなどに「需給調整契約」への加入状況を調査した。本日までの調査結果は以下の通り。(こうしたデータは東京電力が公開していないため、グリーンピースのキャンペーン独自の情報である。)

需要管理によるピークカットの可能性は実際に高い(東京電力の見込みを上回る)。
ピークカットは難しいといわれていた業種もこの契約を結んでいる。
東電は、安易に原発再開に走る前に、もっと需要管理のための営業努力をする必要がある。
東京電力は今年の夏の“対策”として5月、6月と、この契約の拡大を行った。4月の時点での調整電力(減らす約束をとった電力)合計は50万kWだったが、7月現在、140万kWまで増えた(東京電力からの聞き取りによる)。これは大型の原子力発電一基分以上にあたる。東京電力による5月当初に発表した7月分の推定は80万kWであり、これを大きく上回った。東京電力は、8月分、9月分に関しては、この「需給調整契約」を拡大する方針をとっていない。東電は、これまでに3000件の加入があったとしているが、加入対象となりうる施設は約15000件あるといい、グリーンピース・ジャパンはまだ拡大の余地ありとして、大口需要家へ加入を呼びかけている。

契約対象施設のカテゴリー別に見たグリーンピースの所見:
国会、中央省庁:東京電力と契約している庁舎ではほとんど加入しており、東京都23区区役所では契約電力が500kW以下で対象外の豊島区役所と回答待ちである世田谷区役所を除くすべてが加入済みだった。

大学:東京23区内にキャンパスを持つ大学では、聞き取り調査で需給調整型の契約の有無について回答を得た43校中、加入していたのは12校にとどまり、中には需給調整契約のあることを知らなかったという大学もあった。夏休みを迎える大学は、ピークカット(節電)の余地が大きいにもかかわらず、東京電力による広報の努力が充分なされていないことが伺える。

調査結果の詳細をご覧下さい。

グリーンピース・ジャパンでは、この夏「ピークカットキャンペーン」を行っています。

お問い合わせ
グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817
核問題担当 鈴木かずえ
気候変動問題担当 関根彩子
広報担当 城川桂子