【7月15日 東京】国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンおよびオーストラリアの環境保護団体ウィルダーネス・ソサエティー(注1)は、14日、破壊的伐採が進んでいるオーストラリア、タスマニア州から、紙・紙製品の原料である木材チップを購入している主要な製紙企業、日本製紙株式会社、王子製紙株式会社、三菱製紙株式会社の3社と面談し、これ以上原生林破壊を進めないための迅速な対策として、伐採企業ガンズ社(オーストラリア・タスマニア州)からの購入停止を求めた。

グリーンピース・ジャパンは、日本の製紙企業、上記3社が、タスマニア州で破壊的伐採を行っているガンズ社の主要な購入企業であることを把握し、購入を続ける日本企業にもこの原生林破壊の問題に重大な責任があるとし、14日に、3社と面談を持ち、現地の問題を伝え、「この問題は、タスマニア内だけの問題ではない。破壊的な伐採企業から購入を続ける顧客企業が、この問題に対し理解を進めることにより、解決へと結びつくものである。」と、森林問題担当尾崎由嘉は語る。

オーストラリア、タスマニア州には、スティックス渓谷やターカインといった地域を中心に、樹齢400年以上もの老齢樹と温帯雨林からなる原生林が存在しており、地域特有の森林生態系を支えてきている。しかし、このタスマニアの原生林は、主に伐採企業ガンズ社によって破壊が進められてきており、産出された木材の90%以上は、木材チップとなり、紙・紙製品となるために日本へ輸出されてきている。

こうした状況に対し、タスマニアの住民からはすでに多くの懸念の声があがっており、少なくとも、住民の声を反映して作成された地図「タスマニア・トゥギャザー」(注2)に示される地域、スティックス渓谷やターカインなどを保護すべきとしている。13日には、タスマニアの住民が中心となって5000人近くの人々がスティックス渓谷に集まり、タスマニアの原生林保護を求めるパレードが行われた。「この活動は、この20年間で、タスマニアの原生林保護を求める動きとしては最大の動きである。こうした住民の声を、日本の顧客企業にも直視してもらいたい。」と、来日したウィルダーネス・ソサエティーのナショナル・キャンぺーン・ディレクター、アレック・マーは3社に対して訴えた。

グリーンピース・ジャパンは、今後さらにタスマニアの森林の現状を知らせていき、原生林からの木材や紙、パルプを扱う日本の企業に、原生林からではなく、環境に配慮しながら管理された森林で伐採された製品へ転換するよう、訴えていく。

(注1)ウィルダーネス・ソサエティー(The Wilderness Society):オーストラリア国内の自然保護のために地域レベルで活動するオーストラリア最大の非営利の環境保護団体。グリーンピースは、タスマニアの原生林破壊問題に関して、情報交換を行うと共に、同団体の活動を支援している。 Website :http://www.wilderness.org.au/
(注2)地図:「タスマニア・トゥギャザー」

詳しくはグリーンピース・ジャパン森林問題タスマニア問題ページをご覧下さい。

お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
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森林問題担当 尾崎由嘉