7月3日、東京電力福島第一原発6号機の再開を巡って「県民の意見を聴く会」が午後2時から4時まで福島市内の福島市杉妻町杉妻会館で開催された。意見を述べたのは原発関連企業社員や、反原発団体代表、原発立地市町村首長など11人。電力危機を避けるためにも再開すべきだという意見から、安全性を第一に考えて再開すべきでないなど、意見は分かれた。11人のうち6人が再開すべきでないと訴えた。

福島原発近くに住み「福島原発30キロ・ひとの会」代表の林加奈子さんは「地元としては働く人たちの被ばくの問題もある。地震も心配。止めても放射能廃棄物の問題もある。地元は危険を負いながら生活している。」と原発再開反対を訴えた。

最後に佐藤知事が「皆さんの意見をしっかり受け止め総合的に判断していきたい」と述べた。

「佐藤知事には全国から、“原発再開しないで。私は省エネします。”というメールが100通以上届いている。電力が足りなくなる可能性があるのは酷暑の日の午後1時から4時の3時間足らずである。電力消費の時間をずらしたり、電力消費を省いたりすることで対応できる。県民の皆さんを犠牲にする必要はない。」と、「県民の意見を聴く会」を傍聴したグリーンピースの核問題担当鈴木かずえは語った。

会開催に先だち、グリーンピース・ジャパン核問題担当鈴木かずえは全国から寄せられた福島県知事へのメッセージ(*1)集を会の事務局に手渡した。

「東京など電力消費地の多くの方が原発再開に慎重な佐藤知事を応援しており、この夏の電力危機をエネルギーを考える良い機会ととらえ、原発再開よりも、安全を考えるべきであり、原発再開なくとも省エネで乗り切れる。原発が止まっているのは不正を働いた東京電力の責任だ。それを『電力が足りないから再開させて』はあまりに地元軽視。東電には不安定な電力源である原発をベースロード電源として依存しきってきたことに対する反省もない。省エネルギーと再生可能エネルギーによる“リスクの回避”ができるときに核汚染か温暖化かという“リスクの選択”を強要してきた日本政府にも大きな責任がある。地元に不要なリスクを押し付けるべきでない。」と、鈴木かずえは語った。

グリーンピース・ジャパンは「原発再開は不必要」とし、ピークカットに有効な策として、需給調整契約を首都圏の需要家などに奨励するキャンペーンを現在行っている。このキャンペーンは7月中続けられる。

(注1) グリーンピース・ジャパンはwebサイトを通して福島県佐藤栄佐久知事にメールを送りませんか、と呼びかけており7月3日までに100人以上が参加している。:「これまでによせられたメッセージ
*参考:福島県知事あて書簡 安全性が確保されておらず、電力供給にも必要ないとして原発再開をすべきではないと述べている。
*参考:「東京電力の原発停止に対するグリーンピース・ジャパンの2003年夏の提言」ピークカットで需要調整をとしている。

お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817
核問題担当 鈴木かずえ
気候変動問題担当 関根彩子
広報担当 城川桂子