【6月26日 スペイン、マドリッド】 グリーンピースは、違法で破壊的に伐採された木材の輸入に対し暴力を使わず平和的に抗議を行った後、去る13日にスペイン、バレンシアの港で拘束されたグリーンピースのキャンペーン船、虹の戦士号を即時解放するよう、26日、バレンシア当局に要求した。現在スペイン政府は、虹の戦士号の解放に対し、300,000ユーロ(約4,000万円)の保釈金の支払いをグリーンピースに要求している。

「この保釈金要請は、全く不当である。スペイン政府の処置は、世界にわずかしか残っていない原生林から違法に搾取された木材の輸入に対する正当な抗議を妨害するものである。こうしている間にも、スペインや他のヨーロッパ諸国の港湾には、誰にも妨害されずに違法伐採された木材が搬入され続けているのだ。」と、グリーンピース・インターナショナル、森林問題コーディネーター、ウタ・ベリオンは語っている。

グリーンピースのメンバーは、6月13日に、破壊的に伐採された木材を輸送している輸送船オナー号の船体に自らの体を鎖で縛り付けて抗議を行った。これに対し、スペイン当局は、虹の戦士号の船長、ジョエル・スチュワートをはじめ他4名に対して計630ユーロ(約82000円)の罰金を課した。

更にスペイン政府は、虹の戦士号に対して訴訟を起こした。「このスペイン政府の措置は、ムルロア海域で核実験反対の際にフランス政府から受けた弾圧に等しいものである。スペイン政府は、原生林破壊を続ける真の犯罪を追及すべきで、非暴力抗議の民主的権利を奪うべきではない。」と、虹の戦士号船長ジョエル・スチュワートは語っている。

The Greenpeace flagship Rainbow Warrior boarded by approximately 50 agents of the Spanish Civil Guard riot police in the port of Valencia. バレンシア湾で停泊させられた虹の戦士号
グリーンピースは、ヨーロッパの森林法の施行と統治に関する 新ヨーロッパ共同体(EC)行動計画が、違法伐採に対する厳格さを欠いており、違法に伐採された木材の取引を禁じる新たな法律施行においても重要な点が反映されていないと、主張している。「スペイン政府は、違法伐採木材の取引きに重要な役割を担っている。スペイン政府は、こうした問題の証拠と事実を所持する人々を迫害するのではなく、地球の肺となっている原生林の保護に向けた適切な法の施行のために、そのエネルギーと資金を費やすべきである。」と、ウタ・ベリオンは続けた。

世界にわずかに残る原生林で進んでいる破壊は、そこに住む人々から彼らの生存に必要な資源を奪うものである。グリーンピースは、持続可能で社会的責任ある森林の利用を促進し、世界に残された原生林の保護と保護地の確立を目指した活動を続けている。森林の保護地は、多様な生態系とその自然と結びついた文化の保護に貢献し、先住民族をはじめとする人々の伝統的な土地の権利を尊重しながら管理し、確立されるべきものである。

詳しくはグリーンピース・インターナショナルWebサイト(英文)をご覧下さい。

グリーンピースではスペイン政府に対し虹の戦士号の解放を求めるサイバーアクションを行っています。

お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
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森林問題担当 尾崎由嘉
広報担当   城川桂子