グリーンピース・ジャパンは本日、東京電力の一連の不正事件により原子炉15基が停止している現状に関し、夏に向けて各分野でとるべき方策をまとめた提言(* 注1)を発表した。

グリーンピース・ジャパンの提言は、明日26日の東京電力の株主総会に先立って東京電力株式会社社長に提出されたほか、経済産業大臣、環境大臣、東京電力管内の都県庁等にも送付された。

提言では、今回の原発の一斉停止とその影響は、従来の電力供給が、「放射能汚染か、地球温暖化か」という「リスクの選択」しか提供できていないことに起因するとして、電力会社の方針と国のエネルギー政策を批判し、必要なのは「リスクの選択」ではなく、省エネと再生可能エネルギーによって「リスクの回避」をすることであるとの見解を示している。更に、問題の根本は、東京電力の不正と、経済産業省の安全より原子力推進を優先する姿勢そのものにあること指摘し、同社と経済産業省に対して、原子力発電自体が危険な技術であることを認め、このまま原発を停止しつづけるよう求めている。代りに、今後早急に再生可能エネルギーの普及とエネルギー効率の向上を実現して原子力発電の廃止と化石燃料への依存をなくすことを求めている。

現在東京電力は、原発を再開しないと停電するかのような誤解を招く広報を行っているが、不安を煽って原発再開をしようとする態度は、無責任であるのみならず、実施可能な省エネルギーを阻むという弊害さえあるとグリーンピースは強く批判している。

危険な原発を再開させずに夏を越す有効な対策として、提言では、需要管理と省エネルギーで電力需要のピークを乗りきることを柱とし、そのために

最もピークカットに有効な業務用需要において午後1時から4時の間に省エネをすること
東京電力と需要家に対して、需給調整契約を進めることによって需要管理でピークを低くすること
東京電力は需給調整契約推進を強化するめの情報提供とインセンティブを強化することなどを提案している。
東京電力は需給調整契約を進めてはいるものの、現時点ではまだ充分ではない。たとえば東京電力管内の県庁舎との契約はなされているものの、図書館など自治体運営施設や、また夏休みを向える大学など多くの教育施設などでも需給調整契約の余地が充分ある、とグリーンピース・ジャパンでは見ている。

(*注1)提言ページ

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グリーンピース・ジャパンのWebサイトでは、福島県知事に「危険な原発を無理に動かさないで!そのために私たちも省エネします」という消費地からのエールを送るサイバーアクションを実施しています。

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