「長島の自然を守る会」(山口県防府市)が今日、神社本庁(東京都渋谷区)を訪れ、上関原発予定地になっている四代八幡宮神社地を売却しないよう申し入れた。グリーンピースは、貴重な生態系を原発建設および運営による破壊から守るため、上関原発建設計画に反対しており、申入れに賛同、同行した。申入れには婦人民主クラブ、金子哲夫衆議院議員なども同行した。

四代八幡宮の林宮司は「原発に神社地は売らない」と明言している。その林宮司が3月16日付けで山口県神社庁により解任されていた。県神社庁は、解任は原発用地問題と無関係としているという。

「長島の自然を守る会」の高島美登里代表が神社本庁代表役員宛ての申入れ書を神社本庁総務部神社課に手渡し、その後質疑応答、意見交換をした。「原発予定地にされている神社地をそのまま保存してほしい」という申入れに対し、神社本庁側は「原則的には神社地は守っていかなければならない。」としながらも、上関など個別の問題には答えられない、とした。
グリーンピース・ジャパン核問題担当の鈴木かずえは「中国電力に新たな原発は 必要ない。神社地の自然を守って欲しい」と訴えた。

上関原発を巡っては、炉心用地の地区共有地の入会権確認などを求めた訴訟の判決が3月28日に山口地裁岩国支部であった。裁判長が住民の入会権を認め、中国電力に立木伐採や整地など現状変更を禁じた。また、4月28日に行われた上関町長選挙では、原発推進派の新人加納簾香さんが反対派の新人山戸貞夫さんを破って当選したが、加納さんの後援会会長が公職選挙法違反(買収容疑)で逮捕されたことなどから再選挙の可能性もある。

中国電力株式会社による上関原発建設計画は1982年に計画が発覚した。瀬戸内海周防灘の上関町四代の長島に改良沸騰水型2基(各137・3万キロワット)を建設する計画。1号機は2012年度、2号機は2015年度に営業運転開始予定。瀬戸内海という閉鎖性海域に放射能を放出するため、放射能が拡散せずに海洋汚染をひきおこすことが心配される。また、予定地長島周辺では希少な貝類(ヤシマイシン近似種・ナガシマツボ・カサシャミセン・ミドリシャミセンガイ)や瀬戸内海では数が激減したスナメリなどが確認されている。

上関原発について詳しい情報は:
「長島の自然を守る会」ホームページ
「祝島漁協ホームページ」
を参照
詳しくはグリーンピース・ジャパン核問題Webサイトをご覧下さい。

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グリーンピース・ジャパン
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核問題担当 鈴木かずえ
広報担当  城川桂子