本日4月28日から9日までNPT(核兵器拡散防止条約)再検討準備委員会(*1)が開催される。NPTは非核国には核を持たないこと、核保有国には核を減らしていくことを求めている条約。グリーンピースは、イラクの武装解除のために侵略戦争を行った国々が、自らが所有する大量破壊兵器を廃絶していくという約束を守っているかが厳しく検証される場になるべきだと主張する。

グリーンピースは上記の点を訴えるために、「核保有国こそ武装解除せよ!」と、「核査察官」に扮し、米国、ロシア、英国、フランス、中国およびイスラエル、パキスタンの国旗のついた核ミサイル(模型)の武装解除を、NPT再検討準備委員会が行われる国連ビル前(Avenue de Appui側)で現地時間の9:30AMから10:30AMの間行なう(*2)。

「イラク戦争は大量破壊兵器への対応として、危険で破壊的な前例を作ってしまった。しかし、世界中の街角でピースパレードに参加した数千万人の市民は、国際社会が、武力でなく、話し合いによる解決を求めていることを示している。NPT締約国188か国のほとんどが集うであろうこの再検討準備委員会はイラク戦争および北朝鮮脱退宣言以降初めてのものであり、NPTを、核という大量破壊兵器廃絶のための有効な話し合いの場にできるかどうかがかかっている。日本は北朝鮮核開発問題の平和的解決のために、NPT会議の場も利用して、貢献すべきだ。」とグリーンピース・ジャパン核問題担当の鈴木かずえは述べている。グリーンピース・ジャパンでは、川口順子外務大臣、猪口邦子軍縮代表部大使にメールで、北朝鮮核開発問題の平和的解決などを求めるサイバー・アクションを本日から開始した。

「米国、英国がイラクを侵略するほど大量破壊兵器の武装解除を重要と考えるのなら、自らが所有する大量破壊兵器を廃棄すべきだ。」とグリーンピース・インターナショナル軍縮問題担当のウィリアム・ピーダンは述べている。「すでに核兵器を所有しているイスラエル、インド、パキスタンにも武装解除を求めるべきだ。二重基準(ダブルスタンダート)は許されない。さもなければ大量破壊兵器問題解決の体制そのものが危ういものになる。」と同核問題コーディネイターのステファニー・ミルズは述べている。

グリーンピースは、今回の準備委員会に対し、特に以下を求めている(*3)。
大量破壊兵器廃絶問題の平和的解決
米国を始めとする核保有国の軍縮義務の遵守
北朝鮮核開発問題の平和的解決
核兵器に転用可能なプルトニウムの民事利用を含む、核の民事利用の停止
核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期交渉開始
持続可能なエネルギー利用に基づくエネルギー安全保障の検討
イスラエル、インド、パキスタンへの参加および核武装解除による普遍性確保
北東アジアを含む非核地帯の拡大への支持
(*1)NPT再検討準備委員会は、5年毎に開かれる、条約の実行状況を検討する「NPT再検討会議」にむけて勧告などを準備する委員会。
(*2)“査察”は国連ビルのAvenue de Appui 側入り口前で午前9:30から10:30までの間に行われる。
(*3)グリーンピース・ポジション・ペーパー参照

詳しくはグリーンピース・ジャパンNO WAR Webサイトをご覧下さい。

お問い合わせ:グリーンピース・ジャパン 東京都新宿区西新宿8-13-11-NFビル2F 電話03-5338-9800
核問題担当 鈴木かずえ
広報 担当 城川 桂子

参考: NPT会議報告 非同盟諸国、大量破壊兵器問題の交渉による解決求める(2003年5月1日)