2003年4月25日、国際環境保護団体グリーンピース・インターナショナルとその 日本支部であるグリーンピース・ジャパンは、川口順子外務大臣と猪口邦子軍縮 代表部大使あての要請書を外務省総合外交政策局軍備管理軍縮課へ提出した。核 兵器拡散防止条約(NPT)再検討準備委員会の場で大量破壊兵器問題の平和的解 決を強く訴えることなど以下の8項目を要請している。

要請書を提出したグリーンピース・ジャパンの鈴木かずえ(核問題担当)は、 「日本政府はイラク戦争を支持した。しかし、大量破壊兵器削減の一つの有効な 方法として存在するNPT の改革・強化こそが日本の果たすべき義務のはず。問題 を武力で解決するという道を開いて戦車のように反対意見を蹴散らして進んでい るアメリカに対し、NPTの場で、問題を平和的に交渉で解決する、という日本の 立場をきちんと主張し、軌道修正してほしい。それが日本の役目だ。」と述べて いる。

大量破壊兵器廃絶問題の平和的解決
米国を始めとする核保有国の軍縮義務の遵守
北朝鮮核開発問題の平和的解決
核兵器に転用可能なプルトニウムの民事利用を含む、核の民事利用の停止
核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期交渉開始
持続可能なエネルギー利用に基づくエネルギー安全保障の検討
イスラエル、インド、パキスタンへの参加および核武装解除による普遍性確保
北東アジアを含む非核地帯の拡大への支持
イスラエル、インド、パキスタンを除き、核兵器保有国を含めた世界の大多数の 国が締約している核兵器拡散防止条約(NPT)の再検討会議準備委員会が4月28日 から5月9日の間、ジュネーブの国連支部で開催される。

グリーンピースは代表団を派遣し、大量破壊兵器問題の平和的解決を求め、開会 日などにイベントを行うほか各国代表団や報道向けのワークショップなどを開催 する。

お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
核問題担当 鈴木かずえ
広報 担当 城川 桂子
要請書

川口順子外務大臣殿
猪口邦子軍縮代表部大使殿

2003年4月25日

グリーンピース・ジャパン
事務局長 木村雅史
グリーンピース・インターナショナル
核問題コーディネイター ステファニー・ミルズ

要請書

ブッシュ政権はイラクの大量破壊兵器問題に対する“予防戦争”としてイラク攻 撃を行い、日本政府は支持を表明しました。しかし、世界中の街角でピースパレー ドに参加した数千万人の市民は、国際社会が、武力でなく、話し合いによる解決 を求めていることを示しています。

2003年4月28日からジュネーブ(スイス)において開催される核兵器拡散防止条 約(NPT)準備委員会において、日本政府として以下を強く求めることを明白に 表明することを要請します。

大量破壊兵器廃絶問題の平和的解決
米国を始めとする核保有国の軍縮義務の遵守
北朝鮮核開発問題の平和的解決
核兵器に転用可能なプルトニウムの民事利用を含む、核の民事利用の停止
核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期交渉開始
持続可能なエネルギー利用に基づくエネルギー安全保障の検討
イスラエル、インド、パキスタンへの参加および核武装解除による普遍性確保
北東アジアを含む、非核地帯の拡大への支持
以上