グリーンピースのキャンペーナー(注1)が14日、環境保護活動に携わる人々が得られる世界最高の賞であるゴールドマン環境賞(注2)を受賞した。環境保護に対するノーベル賞と言われるゴールドマン環境賞を受賞したのは、フィリピンで焼却炉からの大気汚染などの環境問題の解決に長年に渡り活動をしてきたヴォン・ヘルナンデス(36歳)である。

グリーンピース・インターナショナルの有害物質問題担当で、GAIA(焼却代替を求める国際同盟)のコーディネーターでもあるヘルナンデスは、フィリピンで最初のゴールドマン環境賞の受賞者となった。ゴールドマン環境賞は、毎年6つの大陸から一人ずつ6人の環境保護活動家に「環境保護の英雄」として、US$125,000を授与し、その活動を支援している。

ボン・ヘルナンデスは「私達の焼却炉に対する活動が、その重要性を認められたことはとてもうれしい。この賞は、今後も私達が焼却炉という汚染技術のアジアへの広がりに対して待ったをかける活動を行う上で大変重要なものになる。」と語った。

ヴォン・ヘルナンデスが、今回このゴールドマン環境賞を受賞したのは、フィリピンで焼却による健康被害の危険性を広く知らせ、事実上焼却を禁止するという環境保護法の制定に積極的に関わってきたからである。その結果、1999年に、フィリピンは世界で最初の「焼却禁止国家」となった。ヴォン・ヘルナンデスは「徹底したごみの発生抑制、分別、堆肥化、そしてリサイクルを行う『ゼロ・ウェイスト』活動を私たちは推進してきた。この『ゼロ・ウエイスト』活動は、焼却という危険な技術よりもあらゆる面で優れている」と語っている。

彼の活動は、先進諸国からの汚染輸出を常に浮き彫りにしてきた。有害な物質を含む廃棄物や汚染技術の輸出は、それを扱うことがより難しい状況にある発展途上国の人々の健康に深刻な被害を与えている。「廃棄物やそれの応急処置を行う技術(焼却炉)の輸出は、発展途上国の人々の搾取に過ぎない」と、ヴォン・ヘルナンデスは続ける。

例えばタイ、マレーシア、ベトナム、中国は、日本の国際協力銀行(JBIC)からのローンを約束されたのち、日本の焼却炉メーカーから焼却炉建設のターゲットにされている。「アジアの発展途上国は、『焼却炉建設』という先進国が犯してしまった間違いを繰り返すべきではない。焼却炉は様々な環境汚染を引き起こすだけでなく、限りある資源の無駄遣いを推進する技術である。これは環境問題を解決する持続可能な技術ではない。」と ヘルナンデスは語っている。

ヘルナンデスとその他の受賞者は現在サンフランシスコでその受賞セレモニーに出席し、ゴールドマン環境賞の設立者であるリチャード・ゴールドマン氏の祝福を受けている。「今年の受賞者は、自分の安全や自由を危険にさらしてまでその地域の人々を勇気付け、環境保護活動を推進した活動家である。私達は普通の人がすばらしい行動を起こした際に、どれだけ私達の地球の健康を守ることができるかを認識し、その活動に対して敬意を払いたい。」とゴールドマン氏は述べている。

(注1)
キャンペーナー:グリーンピースのメンバーで環境問題の分析・キャンペーン・解決に専門的に取り組む担当者の事。
(注2)
ゴールドマン環境賞については、http://www.goldmanprize.org/をご覧ください。
詳しくはグリーンピース・ジャパン有害物質問題Webサイトをご覧下さい。

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グリーンピース・ジャパン
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有害物質問題担当 佐藤潤一
広報担当 城川桂子