国連決議377「平和のための結集」(*注1)の提起により、米英軍などによ る対イラク戦争の即時停止を求める活動をしているグリーンピースは、本日午後、 外務省に、小泉首相と川口外相宛ての「国連に『平和のための結集』を提起する ことを求める要請書」を届けた。同時に、グリーンピース・ジ ャパンが呼びかけ、すでに902名がメールを直接送付している「平和のための結 集をお願いします」という原口幸市国連大使に宛てたメッセージも小泉首相と川 口外相宛てに届けた。(*注2)

又、グリーンピース・ジャパンは、米国の対イラク攻撃の不支持を求める要請文 (*注3)の第三次集約分1320通も届けた。この要請文は、3月13日には第一次集約分として4503通、3月18日には646通が届けられており、現在まで総計、6469通。


要請する木村事務局長(左から2人目)と小田部審議官(右から2人目)
外務省を訪れたグリーンピース・ジャパンのメンバーは木村雅史事務局長他4人。 外務省側は審議官室で小田部陽一総合外交政策局審議官がこれに対応した。面談 の席上で、小田部審議官はグリーンピースによって差し出された要請書を受け取 り、決議377の果たして来た役割を認めはしたものの、「日本は基本的にアメリ カ支持を表明しているので平和のための結集に取り組むのは論理的にむずかしい」 と語り、多くの国民からの願いを汲み取ろうとする姿勢は見られなかった。これ に対し、同行した大出彰衆議院議員は「米国追従の外交ではなく、紛争解決のた めにこそ、日本政府は国連中心主義にもどること」を強く要請し、今野東衆議院 議員は「国連決議377にもとづく発議を引き続き検討すること」を求めた。

国連決議377は、3月26日、国連で行われた公開討論で、アラブ連盟が、安保理決 議377「平和への結集」に基づいて、緊急国連総会の召集を要請すると発表して おり、グリーンピースは、同審議官に対し、日本も緊急国連総会の召集に賛同す ることを強く求めた。

尚、国会では、本日午前9時からの参議院予算委員会で、約15分にわたって安保 理決議377「平和への結集」の質疑応答が川口外相と齋藤勁(つよし)参議院議 員の間で行われた。「平和のための結集の実現を日本政府は呼びかけることは出 来るか」との齋藤議員の質問に対し、川口外相は「国連決議377は重要だが、今は その段階ではない」と答弁。これに対して齋藤議員は「国連安保理は機能停止状 態なのだから、取れる手段はとるのが日本の平和外交である」と反論し、「グリー ンピース・ジャパン木村事務局長の意見も聞いているから、改めてこの問題を取 り上げたい」として、今後も「平和への結集」決議を求めていく姿勢を明らかに していた。

(*注1) 国連決議377「平和のための結集」に関する詳しい情報は、以下をご覧下さい。
プレスリリース 2003年3月14日 いま「平和のための結集」決議を!(日本語)
グリーンピース・インターナショナル Uniting for Peace の説明(英文)
http://www.un.org/Depts/dhl/landmark/amajor.htm 国連サイト (英文)

(*注2) 原口国連大使へメッセージを送るサイバーアクション
寄せられたメッセージ(公開可の承諾をいただいたもの)をぜひご覧ください。

(*注3) 市民からの要請書は、グリーンピース・ジャパンが3月3日の新聞広告上で「ぬり えピースプラカード」を持ってWORLD PEACE NOW 3.8に参加しようという呼びか けと共に小泉総理大臣と川口外務大臣に「戦争反対」と「日本政府は米国政府の イラク攻撃を支持しないでください」の2つの意思を伝えようと、呼びかけたも の。グリーンピース・ジャパンには3月3日以降、ファックスとe-メールで全国 からのメッセージが寄せられている。寄せられた意見のうち、公開の承諾を得て いるものの一部に関しては「イラクへの戦争に反対する6469の理由」としてグリーンピース・ジャパンのWebサイトに掲載されている。

詳しくはグリーンピース・ジャパン NO WAR Webサイトをご覧下さい。

お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
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キャンペーン部長 福田未来子
広報担当 城川桂子