グリーンピースは高レベル放射性廃棄物のラ・アーグ再処理工場から日本への返 還の中止を求める。この輸送の日程は2003年3月から6月に行うと公表されている。 グリーンピースはフランスのシェルブール港を来週出港するという内部情報を得 たが、現地フランスのジャーナリストが仏核燃料公社(COGEMA社)に確認したと ころ、来週に予定されていたが、運営上の問題で延期され、時期は確定していな いとこたえたという。

輸送は英国核燃料会社BNFL社所有の核輸送船、パシフィック・サンドパイパー号 が使用される可能性が高い。輸送航路は、カリブ海~パナマ経由、南アメリカホー ン岬経由、南アフリカ喜望峰経由の3つが予想される。

「高レベル放射性廃棄物海上輸送は、海に浮かぶ「汚い爆弾」(Dirty Bomb)で す。汚い爆弾の意味は、放射性を帯びた爆弾で、核廃棄物などを容器に入れて火 薬で爆発させるなど、放射能汚染を狙った爆弾のことです。高度な核兵器開発の 技術・資金を持たないテロリストによる使用が危惧されます。このイラク危機の 真っ最中に、フランスから日本までの2万キロの周辺の沿岸国を危険にさらしま す。輸送は延期ではなく、このまま中止すべきです。」とグリーンピース・ジャ パン核問題担当鈴木かずえは述べている。

昨年、80を超える国と地域がウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の輸 送に抗議の声をあげた。78か国が参加しているアフリカ・カリブ・太平洋(ACP) グループの声明は「我々は、この核やその他の危険物質のACP諸国周辺海域の通 過に対し、我々の強い反対を表明する。我々は、持続可能な開発と人々の健康に 深刻な脅威となりうるいかなる事故発生をも防ぐために、このような行為を直ち に中止するよう求める。」としている。

19か国の南米諸国の外相たちは2000年に行われたウラン・プルトニウム混合酸化 物(MOX)燃料海上輸送を非難し、カリブ共同体(CARICOM)、東カリブ諸国機構 (OECS)、ラテン・アメリカ・カリブ海核兵器禁止機構(OPANAL)なども抗議の 声をあげてきた。

この2月18日に出された声明で、バヌアス政府は輸送3国を非難して「脆弱な太平 洋の島国の経済に対し、傲慢で、新植民地主義的態度である。」「バヌアツ共和 国は太平洋に次のチェルノブリはいらない。」と述べている。(出典「国際的な反対」)

問合せ:グリーンピース・ジャパン核問題担当 鈴木かずえ
広報 担当 城川桂子