【2003年3月12日、カナダ、バンクーバー】 グリーンピースは、本日、独立機関 が発表する「カナダ、ブリティッシュ・コロンビア(B.C.)州産の林産物を購入 する主要企業が、より環境問題に配慮して産出された製品を購入する傾向にある」 ことを明らかにしたレポートを歓迎する。

国際環境保護団体グリーンピースおよび、シェラ・クラブ・カナダ、フォレスト ・エシックス(ForestEthics)は、IBMビジネスコンサルティング・サービス社 (旧Price Waterhouse Coopers)が本日発表するレポート「The Greenward Shift in the Market for Forest Products from British Columbia(英文)」(*1)を歓迎している。

このレポートは、B.C.州産の林産物購入額約20億カナダドル以上に上る、日本、 米国、ヨーロッパ、カナダを中心とした国際市場の主要30社を対象に調査を行っ たものである。

世界最大の林産物購入企業Home Depo社や、日本の三井ホーム、紙製品購入のBBC Worldwide社やTribune Company社など、代表的な林産物購入企業が調査対象に 取り上げられている。この調査では、グリーンワード・シフト(“Greenward Shift” ―環境に配慮し、持続可能に管理された森林から産出されていることが明らかな 製品の購入への転換)(*2)に対応していない林業地域は、今後、林産業界で 市場を失っていく可能性も指摘している。

林産物購入企業による危機に瀕する森林への懸念と、環境に配慮する責務の施行 は、これまで環境のモニタリングの実施をなおざりにしてきたB.C.州政府に対す る警告である。現在、B.C.州政府は、2001年に合意されたグレート・ベア・レイ ンフォレスト協定について、後ろ向きな対応をしているが、今回の調査では、林 産物購入企業がすでにグリーンワード・シフトの傾向にあることを明らかに示し ている。このまま政府の対応が遅れれば、国際市場におけるB.C.州の市場に損害 を与えることになるのは明らかだ。

「レポートでは、国際市場の多くが、問題を抱える供給源からの林産物の購入を 断固と拒否していくことを明らかに示している。」と、グリーンピース・カナダ、 森林問題担当ギャビン・エドワードは語っている。「もし、B.C.州政府が、森林 および環境法を骨抜きにしながら議論を続けようとすれば、国際市場に重点を置 くB.C.州の伐採企業は、将来、大きな損害を被ることとなるであろう。」

IBMビジネスコンサルティング・サービスのレポートでは、「環境に配慮した木 材購入法はすでに存在し、今後、こうした購入法は常識的なものとなることを、 ほとんどの顧客企業が確信している。」とも述べている。

B.C.州の林産物購入企業の多くは、環境に配慮のない林産物供給者は、将来、痛 手にあうことを示唆しており、「(林産物供給者は、)先導的役割を果たすべき である。かつて、議論が巻き起こった地域であっても、将来取引きを行う供給者 となり得るからだ。」とのコメントを同レポートで発表している。

【注】
(*1)IBMビジネスコンサルティング・サービスのレポート全文は、下記ウェブ サイトを参照下さい。http://www.impacs.org/(トップページの‘download our publications’をクリックして下さい。)
(*2)グリーンワード・シフト(Greenward Shift)―環境に配慮し、持続可能 に管理された森林から産出されていることが明らかな製品購入への転換。保護へ の議論が生じているオールド・グロス林など、危機に瀕する森林からの購入を避 けることを選択していくこと。

詳しくはグリーンピース・ジャパン森林問題Webサイトをご覧下さい。

お問い合わせ:
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電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817
森林問題担当 尾崎由嘉
広報担当  城川桂子