環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、本日、大間町町長、大間町議会議長に、大間MOX原発計画の白紙撤回を要請する要請書を(添付資料参照)を送付した。

要請書では、電源開発が、大間原発について、地権者の反対で用地取得ができないことから、炉心の位置を変更して建設許可を申請し直す方針と報道されたことについて、もし、炉心の位置の変更をするなら、経済性の再検証、環境影響調査の一からのやり直しが必要としている。

「『もんじゅ』も停止中であり、プルサーマル計画も目処のたたない現状では、プルトニウムの使い道がなくなっている。だからこそ日本政府は大間MOX原発計画を何がなんでも推進したいのだろう。しかし、もはや世論が核燃料サイクル自体の見直しを求めているのはあきらか。姑息な手段で時間稼ぎすべきでない。」とグリーンピース・ジャパン核問題担当鈴木かずえは語っている。

詳しくはグリーンピースジャパン核問題Webサイトをご覧ください。

お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11.N.F.ビル2F
電話 03-5338-9800  FAX 03-533-9817
核問題担当  鈴木かずえ
広報担当   城川桂子

<添付資料>

要請書

大間MOX原発は環境・経済性を考慮して計画の白紙撤回を!

大間町町長 浅見恒吉様
大間町町議会 議長 小林唯八様

2003年2月10日
グリーンピース・ジャパン
核問題担当 鈴木かずえ

電源開発が、青森県大間町に計画している大間原発について、地権者の反対で用地取得できないことから炉心の位置を変更して、建設許可を申請し直す方針と6日報道されました。

大間原発は、電源という意味では全く必要とされていません。電力会社は大間原発からの電力買取に消極的と報道されています。電力需要が冷え込み、電力自由化の中、より安い電源を選ばなければならないときに、大間原発からの電気を買う余裕はありません。大間原発で使用するウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料は、安い海外再処理からの燃料でもウラン燃料の4倍以上と推定されています。電気事業連合会は大間に建設予定だった新型転換炉(ATR)の計画の見直しを国などに要請し、計画が撤回された経緯があります。電気事業連合会の資料によればATRは、

工事費が、当初計画に比べて大幅に高騰(3,960億円→5,800億円)
建設費が軽水炉に比べ約3倍
発電原価が軽水炉に比べ約3倍(約38円/kw)
であることなどから「受電できる範囲を大幅に超えて」いるとしています。
ATR計画はウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用する改良型沸騰水型軽水炉計画に変更されました。建設費は4,775億円と見積もられています(設置許可申請書添付書類)。今回の炉心位置変更により、建設費は増えます。その経済性の再検証をすべきです。また、原子炉設置許可の取り下げだけでなく、環境影響調査の方法書提出からの手続き全てをやり直すべきです。

大間のマグロや昆布は、全国的に有名です。原発が建設されると、港湾工事や原発工事、稼働後には放射能放出と、マグロやコンブをとりまく海洋環境は破壊されてしまいます。

グリーンピースは、核兵器も原子力の発電利用もない世界をめざしていす。国・電力会社に対しては、プルトニウム利用計画を撤回し、原子力利用から撤退し、省エネルギーと再生可能エネルギーによっての電力供給へと方針を転換するよう提言しています。大間町におかれましても、原子力ではなく、再生可能エネルギーを利用した電源開発による町づくりをめざしていただけますよう、お願いいたします。

以上