高速増殖炉もんじゅの建設許可は「無効」という歴史的判決に対し、国は「上告」します。間違った政策を間違っていると認めることができずに、泥沼にみずから足を踏み込むおろかな決断といえます。プルトニウム利用の将来の見通しもないのに、なにがなんでももんじゅの運転を再開させたいという決意表明です。もんじゅ開発費1兆円、停止後でも維持費年間100億円という税金の無駄遣いに上乗せしての税金の無駄遣いです。

―本来、国は上告できないはずー
「もんじゅ」裁判の弁護団である海渡雄一弁護士は、「国は上告できない」と語っています。それは、新民事訴訟法により、上告をするためには「判例違反」、「憲法違反」のいずれかの用件が必要だからとのこと。今回の判決は、伊方原発訴訟の最高裁判決に沿ったものであり、「判例違反」にはあたりません。また、憲法論争はされていませんし、「憲法違反」でもありません。

海渡弁護士は、「判決の認定した事実が違うとか、法律の解釈に疑問があるというようなことは上告理由にならない」と述べています。

また、海渡弁護士は、福島瑞穂参議院議員の調査によれば、昨年、国が高裁で敗訴した民事判決は42件あったが、上告は一件もされていないと述べています。それは上記のように、非常に要件が限られているからです。もし、国がそれでも上告を申し立てるなら、上告して、係争中なのだから、結論は出ていないのだからかまわないはずだ、として「もんじゅ」の運転を再開させたいがための時間稼ぎでしょう。

グリーンピース・ジャパンではNGOのみなさんとともに、「上告するな!緊急集会」を予定しています。この集会は必然的に上告を決断した国への抗議集会となります。

=「もんじゅ」上告するな!緊急集会のお知らせ==
国は上告を決めました。そこで、緊急に、国会院内での集会と関係省庁への要請行動をおこないます。
☆「もんじゅ」上告するな!緊急集会
【日時】2003年2月4日(火) 13:00~14:00
【場所】 衆議院議員会館 第二議員会館 第一会議室
(千代田区永田町2-1-2)
地下鉄丸の内線「国会議事堂前」駅下車徒歩3分
地下鉄有楽町線「永田町」駅下車徒歩2分

*当日は第二議員会館ロビーで「入館証」を配布します。 「入館証」を受け取って第一会議室までいらしてください。遅れて来 た場合は、館内電話で第一会議室まで連絡を。

【内容】 「もんじゅ」訴訟原告からの報告
「もんじゅ」訴訟弁護団からの報告
国会議員からのアピール
主催者・参加者からの行動提議など
【要請行動】14:00~16:00(予定)経済産業省・原子力安全委員会など

【主催】
原水爆禁止日本国民会議
原子力資料情報室
グリーンピース・ジャパン
ストップ!ザ・もんじゅ・東京
婦人民主クラブ など

詳しくはグリーンピース・ジャパン核問題Webサイトをご覧下さい。

もんじゅ関連のグリーンピース・ジャパン プレスリリース
1996/03/28
もんじゅに炉心崩壊事故の危機 動燃はクオリティー低い
1997/06/20
橋本内閣総理大臣に再処理と高速増殖炉路線を断ち切るよう要請
1999/01/28
MOX燃料輸送に抗議する市民団体等、日本政府のプルトニウム輸送を非難しプルトニウム計画の中止を要求
1999/09/10
関西電力のプルトニウム計画は、福井県を核兵器貯蔵所にしてしまう
2003/01/28
もんじゅを廃炉に!「危険なもの」を「危険」と言い切った判決、国に上告の理由はない
お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817
核問題担当 鈴木かずえ
広報担当  城川桂子