プルトニウムを燃料として発電させる高速増殖炉もんじゅの建設許可を取り消しとする歴史的判決が名古屋高等裁判所金沢支部(川崎和夫裁判長)において1月27日出された。川崎和夫裁判長は国の安全審査には「重大な違法がある」として、福井地方裁判所の一審判決を翻したのだ。「危険なもの」を「危険」と言い切った歴史的判決だ。

国に、上告理由はすでにない!しかし、経済産業省原子力安全・保安院は院長談話で「国の主張が認められず、遺憾に思います。(略)上告について検討したい」としている。論理と証拠により、原子炉容器と格納容器が壊れて放射性物質が環境中に放出される危険性を否定できない、とした判決を証拠もなく不服として上告することは許されない。国はすでにこの発電もしない原子炉の開発に1兆円以上も注ぎ込み、事故で停止している現在も年間100億円、事故以後900億円も維持費がかかっている。上告はあきらかに税金の不当かつ無駄な投入だ。

改造工事はただちに中止を!

核燃料サイクル機構は司法の判決を尊重し、改造工事を始めるべきではない。今回の判決は安全審査自体の欠陥を指摘したものであり、改造工事で運転再開という路線に正当性はない。

もんじゅを廃炉に!

今こそ国は、まずもんじゅを廃炉とし、高速増殖炉建設を含む原発の使用済み核燃料再処理計画を放棄すべきだ。これ以上、人類を危険にさらすのはやめ、税金の無駄使いをやめるために、もんじゅは廃炉にするしかない。

核燃料サイクル政策を省エネルギーと再生可能エネルギー活用政策に転換を!

国は高速増力炉もんじゅを始めとした核燃料サイクル計画に巨額の税金を投入するのをやめ、省エネルギーをすすめ、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及にこそ力を入れるべきである。グリーンピースは、環境にとっても、市民の健康にとっても、世界的な安全保障にとっても、経済にとってもマイナスでしかない、核燃料サイクル政策の放棄を求める。


もんじゅ関連のグリーンピース・ジャパン プレスリリース
1996/03/28
もんじゅに炉心崩壊事故の危機 動燃はクオリティー低い
1997/06/20
橋本内閣総理大臣に再処理と高速増殖炉路線を断ち切るよう要請
1999/01/28
MOX燃料輸送に抗議する市民団体等、日本政府のプルトニウム輸送を非難しプルトニウム計画の中止を要求
1999/09/10
関西電力のプルトニウム計画は、福井県を核兵器貯蔵所にしてしまう
2003/01/31
「もんじゅ」建設許可取り消し判決に「国は上告するな!」緊急集会
詳しくはグリーンピース・ジャパン核問題サイトをご覧ください。

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核問題担当 鈴木かずえ
広報担当  城川桂子