17日、英国核燃料会社(BNFL)による安全性データのねつ造で製造元に返還輸送されていた関西電力高浜原発(福井県高浜町)用のウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料輸送船パシフィック・ピンテール号(5271トン)が、6隻のヨットとグリーンピースのキャンペーン船「虹の戦士号」の抗議を受けながらアイリッシュ海を経て、英国中西部のバーロウ港に入港した。

抗議船団は「ストップ 核輸送」というメッセージの横断幕を掲げて平和的な抗議行動を展開した。抗議船の船長の一人、ワレン・スコットさんは、「抗議に集まったのはアイリッシュ海を使っている航海士だ。我々は、BNFL社と英国・日本政府に我々が、このアイリッシュ海や、他のいかなる海をも、核の高速道路として使われる事に黙ってはいないということを知らせたい。」と語った。また、アイルランドの人気バンド「コアーズ」のジム・コアも抗議活動に参加している。 今回のプルトニウム輸送は最も問題の多い核輸送として世界中の話題となった。80カ国を越す国の政府がこの輸送を、環境面、安全保障面と安全への憂慮を示して非難した。輸送航路沿岸国は、排他的経済水域侵入をしないよう求めたが、無視された。昨日、アイリッシュ海で「核のない海船団」の抗議に遭遇したとき、輸送船は、アイルランド沿岸から30マイルしか離れていなかった。


英国中西部バーロウ港へ入港するパシフィック・ピンテール号
英国中西部バーロウ港へ入港するパシフィック・ピンテール号 写真 〜Greenpeace/Sims
通常、英国と友好関係を保っているアイルランド政府は、英国の核の再処理に反対して、国連海洋法およびオスパール条約(大西洋北東部の汚染を防止するための条約)のもと、英国を訴えている。

グリーンピース・ジャパンの核問題担当鈴木かずえは「日本政府はこれまで、資源に乏しい日本はプルトニウムの利用が不可欠と沿岸国に説明してきた。しかし、東電のスキャンダルでプルトニウムの利用は凍結された。この輸送の正当性はますます失われた。そして、BNFL社は日本という重要な顧客を失った。英国も日本も環境面においても、核拡散の面においても、ビジネスの面においても問題だらけの核の再処理を止めるという選択を真剣に考えるときにきている。」と述べた。

詳しくはグリーンピース・ジャパン核問題Webサイトをご覧下さい。

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核問題担当 鈴木かずえ
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