【2002年9月3日、ヨハネスブルグ、南アフリカ】 ヨハネスブルクサミットは、20億の人々がエネルギーを享受する機会を損ない、同時に、地球の気候を守るための再生可能エネルギー革命へ向う契機を逸したという汚点を、歴史に残すことになった。

ブラジル、ノルウェイ、ニュージーランド、スイス、アイスランド他いくつかのEU諸国は、エネルギーに関して合意が前進しなかったことへの失望をはっきりと言葉に表したのに対し、米国、サウジアラビア、日本、カナダ、オーストラリアは、化石燃料の利益を守ることができたと確信して、会議場を出た。

WWF インターナショナルのジェニファー・モーガンは、こう語る。「今日の全体会合で披露された各国首脳や政府代表のスピーチには、気候変動と貧困問題への対策の必要性を明言したものがあった。しかし、階下の交渉ルームにいた閣僚達は、明らかにそれを聞いていなかった。このサミットのブッシュのエネルギープランは、それの印刷された紙に含まれる炭素ほどの価値もない。」

一年以上に及ぶ議論の末、ヨハネスブルグサミットのエネルギー部門の交渉は、ただの一歩も前進を見せることができなかった。「行動計画」は“計画”と呼べるようなものではなく、またほとんど何の“行動”も含まれていない。

「我々は昨年から一年半を費やして、ダメージを最小限にとどめようとしてきた。今、持続可能なエネルギーの未来を国民と分ちあいたいという意志をもつ国々と連携して、我々は前へ進まなければならない。」とグリーンピース・インターナショナルのスティーブ・ソイヤーは語る。

「より環境負荷のない、より健全な家庭用エネルギー源の普及の機会を失っても、地球の気候変動の脆弱性の危険が増しても、不利になるのはいずれの場合でも最貧層の人々なのだ。」とオックスファム・インターナショナルのアントニオ・ヒルは指摘する。

「世界実施計画」のエネルギー部門に関して合意されたのは:近代的エネルギーにアクセスできない、世界20億の人々にエネルギーを供給するために何もしない。再生可能エネルギーの普及に関して一切の目標値や目標年を定めない。世界のエネルギー構成の主要部分を占める化石燃料産業を支えている巨額の補助金を削減するために何の措置もとらない。ということだった。ここ数年の間に合意されてきたことを単に繰り返しただけである。

詳しくはグリーンピース・ジャパン、ヨハネスブルグ・サミットWebサイトをご覧下さい。

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