7月4日、品質管理データ捏造プルトニウムMOX燃料を、英国核燃料会社(BN FL)に返還輸送するためパシフィック・ピンテール号(5271トン)が内浦港 に入港し、福井県高浜原子力発電所専用港に午前7時45分に接岸した。199 9年より同原子力発電所に保管されていた品質管理データ捏造プルトニウムMO X燃料は午後1時、パシフィック・ピンテール号への積荷を終了し、同港を午後 3時40分に出発した。

この核燃料輸送に強く反対するグリーンピースは、前日よりグリーンピースのアー クティック・サンライズ号(949トン、オランダ船籍)を内浦湾に錨泊させ、 パシフィック・ピンテール号の入港時より監視活動を始めた。一方、音海地区帯 ヶ崎海岸でも、同日早朝よりグリーンピースの15人等27人が監視行動を開始 した。グリーンピースは午後12時半に高浜町事代城山公園芝生広場で開かれた 「原子力発電に反対する福井県民会議」主催の「BNFLの契約拒否・プルサー マル中止を求める若狭湾集会」に参加、つづいて、午後1時、同広場から出発し た「高浜住民に向けたアピールデモ」に参加し、途中高浜町役場で高浜町長へ要 請書を提出した。デモは午後2時頃城山公園に戻った。またその後関西電力高浜電所前で関西電力に要請書 を提出した。その後デモ参加者は午後3時頃に音海地区帯ヶ崎海岸に戻り、 パシフィック・ピンテイ-ル号出港まで、グリーンピースを含む約160人が、 音海地区帯ヶ崎海岸内で抗議活動を展開した。音海地区帯ヶ崎海岸の内浦湾堤防には、 「BNFL NEVER AGAIN、BNFLはもうゴメン」と書かれた長さ 30メートルの横断幕が掲げられた。

BNFL never again
「関西電力は、これでプルサーマル計画を進めたいと思っているだろうが、市民 の反対で、新潟でも福島までも止まっている。福井でも危険なプルトニウムの利 用を止めたい。」(グリーンピース・ジャパン 核問題担当 鈴木かずえ)

抗議するASとたこ
海上では、アークティック・サンライズ号から65メートルの高さに巨大な抗議 の凧を上げた。凧には、55メートルに渡って「STOP PLUTONIUM」 の文字が書かれた小旗がはためいた。アークティック・サンライズ号から降ろさ れた2隻のゴムボートから、プルトニウムMOX燃料の積荷、パシフィック・ピ ンテール号の動き、陸上での抗議活動などを、グリーンピースのフォトジャーナ リスト、ビデオジャーナリストがビデオカメラ、カメラで撮影した。撮影された 映像はアークティック・サンライズ号から世界に配信された。

今回の輸送は、輸送容器未承認のままの輸送、輸送船腐食問題など、問題を山積 みにしたままの出港となった。太平洋ではニュージーランド、オーストラリア市 民などによる「核のない海平和船団」のヨットなどが10隻以上待ち受け、抗議 行動を展開することになっている。

輸送は、航路沿岸国の了解も得ておらず、事故時の環境影響評価も行っておらず、 事故時の賠償体制もあいまいで、緊急計画も示されていない。今回の輸送航路と なることが予想されている国々からはすでに多くの反対の声が上がっている。

詳しくは、グリーンピース・ジャパンの核問題サイトをご参照ください。