グリーンピースは、29日午前8時ロンドンに停泊中のキャンペーン船「エスペラ ンサ号」船上で記者会見を開き、プルトニウムMOX燃料の返還中止を求めるキャ ンペーンの開始を発表し、抗議のため日本に船を送ることを明らかにした。

また、ロンドンを訪問中の川口順子外務大臣とストロー英国外務大臣に、核ミサ イルの模型を午前中に届ける予定。模型には「プルトニウム=原爆」と書かれる。 日本の自由党党首小沢一郎氏は4月、福岡市で講演した際、日本は原発の中に原 爆数千発分のプルトニウムを有し、一晩で核兵器を持てるなどと述べている。使 用済み核燃料からプルトニウムを取り出して原発で使用するプルトニウム計画は、 日本の核武装へと繋がりかねないとグリーンピースは懸念している。

経緯

・4月26日英国現地時間午前9時30分、2隻の英国船籍の核輸送船が英中西部バーロウ港を日本へ向けて出港した。関西電力福井県高浜原発から、品質管理データがねつ造されたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を英核燃料会社BNFL社へ返還するための輸送容器を積んだパシフィック・ピンテール号(5271トン)と護衛の役割を務めるパシフィック・ティール号(4863トン)である。データねつ造プルトニウム(MOX)燃料の英国への返還は、関西電力が英国核燃料会社BNFL社と、新たなプルトニウム(MOX)燃料加工契約交渉を始めるための、条件となっている。

・輸送期間空の輸送容器を積んだ核輸送船が福井県高浜に到着するのは、6月10日以降となろう。日本までは、最短予想航路のパナマ運河経由で45日間、南アフリカ希望峰および南アメリカホーン岬経由ではそれぞれ60日間ほどかかる。

・輸送容器問題関西電力は1月21日に、高浜原発4号機用MOX燃料返送用輸送容器の設計変更申請を国土交通省に提出し、3月18日に国交省から承認を得たが、それを「返納」し、4月16日に輸送容器の設計変更承認申請を提出した。関電から出された申請に不備な点があったにもかかわらず、承認した国交省の責任が問われることがなければ、今回の新たな申請におかしな点があったとしてもそれを国交省が指摘するとは信用できない。品質管理データのねつ造を暴いた「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」「グリーン・アクション」は再申請にもミスがあると指摘している。
核問題、プルトニウム問題について詳しい情報は グリーンピース・ジャパン核問題サイト