国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンと山口県の「長島の自然を守る会」は2001年12月18日、山口県庁を訪れ、二井関成山口県知事あて「山口県レッドデータブックに汽水域貝類登載を求める署名」16,809名分を提出しました。

しかし、対応した志賀俊寿自然保護課長は、汽水域貝類については、追補版という形にし、あくまで登載しない方向であると答えました。追補版出版の時期は未定としました。
また、「(貝だけ入れると) 他の生物とのバランスがおかしくなる」「漁業のこととの問題がでてくると思う」などと、純粋に自然保護に資するため、絶滅の恐れのある野生生物のリストであるはずのレッドデータブックの作成にあたっている自然保護課としては大変不適切な発言を繰り返しました。そして、汽水域を除外する方針について、反対の委員のいる分科会の説得にあたるつもりだと述べました。

レッドデータブックづくりに携わっている山口県の県野生生物保全対策検討委員会では、当初、「汽水域貝類」登載するという合意がありました。それは、瀬戸内海に面している山口県には、淡水と海水が交じり合う汽水域に貴重な種が多数生息しているという事情がありました。そのため、1996年に県により刊行された「山口県の貴重な野生生物」にも汽水域の貝類も掲載されています。上関原発建設予定地および周辺の汽水域では、希少な貝類が多数見つかっています。
しかし、1999年、山口県が汽水域の解釈を狭め “河口” のみとし、さらに、2001年9月18日に開催された、保全対策検討委員会は、異例の多数決で当初確認した”汽水を含む”を反故にし、”陸・淡水” のみとする決定をしたのです。汽水域が除外されれば、原発予定地を含む周辺で見つかった希少な貝類は除外されてしまいます。
登載されるべくリストアップされた貝類の中に、上関原発建設予定地で発見された貝類があり、レッドデータブックに搭載されれば、原発建設にまたひとつ障害ができますが、そうした政治的な力が、この合意の反古に感じられはしないでしょうか。

「長島の自然を守る会」と「グリーンピース・ジャパン」では、今後も署名活動をすすめて、ねばり強く、汽水域貝類の登載を求めていくことにしています。

署名用紙はhttp://hiroshima.cool.ne.jp/kan_ootagawa/event/Nagashima_shomei.docからダウンロードできます。または、グリーンピース・ジャパンの事務局までご請求ください。