【ブラジル:2001年12月6日】

グリーンピースは、先住民族の土地と森林保護地域を守るために、森林管理計画を差し止めるという、前例のないブラジル政府が出した制令を歓迎した(1)。これは、アマゾン地域でのすべてのマホガニー材の伐採、取引を停止させることを意味する。ブラジル環境庁IBAMAの長官、ハミルトン・カサラ氏(Mr.Hamilton Casara)によって発表されたこの決定は、グリーンピースがアマゾンでのマホガニー違法伐採および取引の度重ねる暴露によって引き出されたものである。

グリーンピースは、9月と10月に、アマゾンの先住民族の土地で行われていたマホガニー伐採業で横行する違法行為を暴露した。グリーンピース調査報告書「マホガニーをめぐる犯罪の協力者たち:Partners in Mahogany Crime」は、連邦検察官と環境専門家らに配布された。この報告書では、マホガニー・マフィアと世界の木材取引業者との関連の存在があばかれている。

IBAMAは、違法伐採、森林管理計画、そして製材の分野を調査した。グリーンピースとの共同調査の結果、IBAMAは、ブラジルの歴史上最大の大量なマホガニーの違法伐採を摘発した(2)。

「マホガニーの違法伐採業者は、長年アマゾンを破壊し続けてきた。マホガニーは、原生林のへの悪影響をもたらす、何千キロメートルにもおよぶ違法な道路を開通させた原因であった。本日の歴史的発表は、ブラジルでのマホガニー違法伐採の終焉を意味するものである。」(グリーンピース・アマゾン・コーディネーター、パウロ・アダリオ)

ブラジル政府は、独立した機関によって認証される過程にあるマホガニーの経営計画を、持続可能な森林経営のうちに入るとして、今回の決定から除外している。加えて、先住民族の土地と森林保護地域周辺については森林認証を受ける義務を課した。

“このことは、政府が、アマゾン伐採業界と市場に、違法伐採を止めて、認証を受けるか、もしくはビジネスを中止するかの、二者選択を明確に迫っていることを意味しているのだ。”

アマゾンでのマホガニーの違法伐採を止めさせる活動は、世界の残された原生林保護のために、グリーンピースが展開している国際的なキャンペーンの一環である。世界原生林のおよそ80%は、すでに破壊されたか悪影響が及ぼされており、残りの20%を保護するために残された時間は少ない。



注:
1:制令第1条 すべてのマホガニー森林経営計画の差し止めにあたり、認証の過程や最終段階にある経営計画を除外することが、パラ州、マトグロッソ州、アクレ州のIBAMAにより承認された。

2:2001年10月の政府とグリーンピースの共同調査において、国際市場でおよそ700万米ドルに値する総計7165立方メートルの違法マホガニー材を押収した。政府は、総計で、約30,000立方メートルの違法マホガニー材、11台のトラック、5台のブルドーザーを差し押さえ、複数伐採者と会社に数百万米ドルの罰金を課した。



添付資料:ブラジル政府の制令 (英文・PDF)
INSTITUTO BRASILEIRO DO MEIO AMBIENTE E DOS RECURSOS NATURAIS RENOVAVEIS ? IBAMA