環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、松下電器と東芝が2002年から、フロンや代替フロンを冷媒として使用しない国内初のグリーンフリーズを発売すると発表したことを、歓迎する。

1992年、グリーンピースはドイツで企業と研究所に委託し、オゾン層を破壊せず、また温室効果も無視できる程度である炭化水素(冷媒にはプロパン・ブタンの混合、またはイソブタン、発泡用にはシクロペンタン)を使用した家庭用冷蔵庫用の技術を開発し、各国の企業や政府に代替フロンからの脱却をよびかけてきた。
このグリーンフリーズがきっかけとなり、他の冷媒分野でも特に欧州を中心に自然冷媒の技術開発が加速された。


松下電器が来年発売するグリーンフリーズ




グリーンピース・ジャパンは、1993年から松下電器をはじめとする国内家電メーカーに対し、グリーンフリーズの開発を働きかけてきた。消費者を巻き込んだ数度にわたるハガキキャンペーン、意見広告、企業向け、一般向けの講演会などさまざまな活動を行っていた。
このようなキャンペーン活動が功を奏し、グリーンフリーズの国内販売が実現することとなったといえる。消費者の声が製品を生み出し、環境に負荷を与えない、という意味で、画期的な冷蔵庫である。

今回の松下電器と東芝は、地球温暖化を防止するために、企業として重要な決断を行ったといえる。企業が環境に対する責任を果たすことが、環境保護には不可欠と言える。




松下冷機と松下電器産業の広報の方から
説明を受ける事務局長の志田早苗



1997年9月グリーンピース・インターナショナルは国連環境計画(UNEP)よりオゾン層保護賞(Ozone Award)を受賞した。これは、グリーンピースが、オゾン層を破壊し地球温暖化効果の高い従来のフロンや代替フロンをまったく使用しない冷蔵技術を開発し、世界に広めた功績に対して授与されるものだ。