日本政府が派遣する捕鯨船団は、本日午後3時すぎ、山口県の下関から出航した。
環境保護団体グリーンピース・ジャパンのメンバー等は、出港の現場で、胸に「Don’t go! 世界は見ている」と書いたTシャツを着て、国際社会が見ているという意味で「眼」を模った風船を手に持ってアピール行動を行った。グリーンピースは、捕鯨船団の出港を厳しく非難した。
同船団は、国際的に合意されているクジラのサンクチュアリーである南極海で捕鯨活動を行い、来春帰港予定。

グリーンピースは、「捕鯨を繰り返すことによって、日本政府は国際的な了解事項に背き続けている」とし、船団の出港中止を求め総理大臣、外務大臣及び農林水産大臣に対して11月2日要請書を提出した。
また、政府はかねてよりODA(国際開発援助資金)を利用して、IWC(国際捕鯨委員会)で日本政府を支持する投票を行うよう、開発途上国に対し働きかけている、「票買」行為を中止するよう要請した。

日本政府は南極海と北西太平洋で行っている「調査」に毎年約10億円もの税金を投入し続けている。一方で「調査」という大義名分のもとで捕ったクジラの肉は「副産物」として販売され、売り上げ(卸し) は毎年40億円にものぼっている。これは明らかに「調査」ではなく科学に名を借りた「商業行為」である。

政府は、この 「調査」はIWCのために実施しているのだと主張しているが、当のIWCの科学者たちは 「結果として出される情報は現在進めている作業には必要ない」とコメントしている。
日本政府が「調査」捕鯨を行っている海域は、1994年のIWC(国際捕鯨委員会)総会で、恒久的なクジラのサンクチュアリーに指定されている。IWC総会は、1987年に日本政府が「調査」捕鯨を開始して以来毎年、捕鯨許可の発行をやめるように政府に勧告を続けている。

日本政府は、国際的合意であるIWCの勧告を即刻受け入れるべきである。
初めての勧告から14年。今年も勧告を無視した政府は、国際社会から孤立することは避けられない。