世界の主要な航空会社21社は、グリーンピースの質問状に対して、「鯨肉及び脂身の輸出入に関し、自社便での空輸を受注しない」と回答を寄せた。特に、ノルウェーの主要国際空港であるオスロ空港に乗り入れている英国の航空会社は全てが空輸辞退を宣言した。
ただし4社 (SAS(スウェーデン)、Wideroe(ノルウェー)、Icelandair、Braathens (ノルウェー)) は「確約できない」と回答しているため、空輸を辞退するよう引き続き要請を続ける予定である。

この活動は、今年1月にノルウェー政府が、同国産鯨肉及び脂身の輸出許可を出すと発表したことを受けたものである。ノルウェーはこれまで、IWCの全海域での捕鯨中止決議に異議申し立てをし、同国周辺海域でミンククジラ漁を続けているが、CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、ワシントン条約)に従い、鯨肉や脂身の輸出を規制し、国内消費を行っていた。ミンククジラは、CITESの付属書 Iに含まれ、輸出入禁止生物種に指定されている。
同国にはクジラの脂身を利用する習慣がなく、数年分、数百トンの脂身が冷凍庫に死蔵されており、日本に輸出したいとする業者からの要求を受け入れる形で、今回の「輸出解禁」が発表された。
これに対してグリーンピースは、鯨肉や脂身が日本の市場に流れ込むと、さらに違法鯨肉(密漁や密輸)が紛れやすくなり、絶滅の危機に瀕した鯨種までが捕獲される可能性が高まる等の理由から、鯨肉の輸出入再開に反対している。鯨肉は、日本では最上質のものだと100グラム何千円もし、違法な鯨肉を扱うものにとってうまみのある商品になっている。

また、本日、11人の活動家が、ミンククジラの肉と脂身を扱っているノルウェーの輸出業者の建物のひとつを占拠し、備蓄している鯨肉や脂身の日本への輸出計画を諦めるよう要請した。(11人の国籍はそれぞれ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、イタリア、ドイツ)


グリーンピースに対して回答を寄せた航空会社は以下のとおり

エア・マルタ
Crossair Hauptsits (スイス)
チェコ航
英国航空、
ドイツ・ルフトハンザ
KLM (オランダ航空)
オーストリア航空
LOT (ポーランド)
スイス航空
Tyrolean航空 (オーストリア)
エア2000 (英)
エア・ヨーロッパS.A.
ブリタニア航空
Spanair
ステアリングヨーロピアン (デンマーク)
フィンランド航空
イラン航空
エールフランス
Sabena (ベルギー)
Maleu (ハンガリー)
Onur Air (トルコ)