目次:
国会議員の連盟で、塩ビのおもちゃの勉強会が開かれました。
塩ビおもちゃパトロール 第3回 原陽子議員と
塩ビ “らしき!?” おもちゃの材質:メーカーからお返事がきました (速報)

I:国会議員の連盟で、塩ビのおもちゃの勉強会が開かれました。

4月18日、「環境ホルモン・ダイオキシン問題に取り組む議員連盟」の学習会がありました。テーマは塩化ビニルのおもちゃ。講師は国立医薬品食品衛生研究所の河村 葉子さん、同研究所で沢山の塩化ビニルのおもちゃを分析してきた先生です。

塩ビのおもちゃには、

可塑剤、特にフタル酸エステル類を大量に含有しているものが多いこと、
塩ビ安定剤としてビスフェノールAを含有するものがあること、
添加した酸化防止剤が分解して生成したノニルフェノールを含有するものがある、

などを指摘されました。

こどもがおもちゃを口にいれる時間などを総合して考えると、耐容一日摂取量に近い量のフタル酸エステルを、塩ビのおもちゃから摂取してしまう子もでてくるので、とても心配です。

講師のお話の後の、質疑、討論でも、日本では、子どもの健康保健などに対する立法が遅れている、といった点が、参加された議員さんたちから出されました。

感想:可塑剤が入っている限りそれがどんな化学物質であっても、溶出の危険は避けられません。可塑剤を入れなくてもいいプラスチックや天然素材があるのだから、こどもに塩ビを使わせないでほしい、と思いました。議員さん達には「子どもの安全」という立場から、一日も早い取り組みを期待します。

II:塩ビおもちゃパトロール 第3回 原陽子議員と

塩ビのおもちゃパトロールの第3回目、衆議院の原陽子議員と一緒にパトロールしました。今回は、その模様を原さんに寄稿して頂きました。

4月19日(木)午後、大型おもちゃ販売店へ。「見直そうこどものおもちゃ実行委員会」がやっているおもちゃパトロールを体験するためだ。厚生労働省からのヒアリングは事前に済ませた。塩ビおもちゃに使われる可塑剤・フタル酸は動物実験で生殖毒性が確認されていること、しかし人体についてはまだ分からないという馬鹿げた理由で規制をしていないことが分かっている。厚労省は動物実験が何のためにあるか考えないようだ。さて、おもちゃパトロールによって、今度は、業界の自主規制の実態がつかめた。「3才未満」の表示があるおもちゃでは、ほとんどすべて「フタル酸エステルは使用していません」と表示され、すでにフタル酸使用の塩ビおもちゃは駆逐されていた。よくあることだが、法律より消費者意識の方が進んでいる。実に恥ずかしい。しかし自主規制は完璧ではない。確かに3才未満用と書かれたおもちゃには明確な表示があるが、「3才以上」となると今度はまったくと言っていいほど材質表示がない。消費者意識に合わせ3才未満には自主規制をかけ、あとは野となれ山となれ状態だ。だが、売るほうは3歳未満・以上があっても、赤ん坊には関係がない。3才以上の兄弟がいれば当然、自主規制のかからない3才以上のおもちゃも赤ん坊の口に入ると考える方が自然だ。同様にアジア諸国からの輸入品も自主規制はかからない。子どもの環境から少しでも早く危険物質を駆逐できるよう、一つ一つできることを実行していきたい。

衆議院議員 原陽子

III:塩ビ “らしき!?” おもちゃの材質:メーカーからお返事がきました (速報)

2月、3月の塩ビのおもちゃパトロールで見つかった、”塩ビみたいだけど表示がない” “「非フタル酸系」って何を使ってるの?” という疑問のあるおもちゃについて、「見直そうこどものおもちゃ」実行委員会がメーカーに出した手紙に、お返事がきました。

バンダイさんのお返事から:
「PVCまたは塩化ビニル樹脂と標記している商品の可塑剤はフタル酸エステル」
「ATBC-PVC又はATBC塩化ビニルと標記している商品の可塑剤はクエン酸エステル」

トミーさんのお返事から:
今回質問したのは対象年齢が3才以上、4才以上のもので表示のなかったものについてききました。キャラクター人形などを含む3つのシリーズについて,材質は塩化ビニル、可塑剤はフタル酸エステル類、とのこと。

* こうやって調べていくと、まだまだ塩ビもフタル酸エステル類も使われている実態が見えてきました。
* 詳細は、後日実行委員会でまとめて発表予定です。

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脱塩ビ通信とは:軟らかい塩ビのおもちゃに含まれる有害物質。子どもがおもちゃを通して有害物質にさらされていることを心配して、各国で企業や行政機関の対応が進んでいます。この通信はおもちゃの脱塩ビに関する前進などを、協力団体、育児ママ達他、関心の高い皆様へお知らせするニュースレターです。