グリーンピース・インターナショナルとグリーン・アクション(京都)は、3月30日、青森県を訪れ、返還核廃棄物についての情報公開を求めた。
対応した青森県むつ小川原開発・エネルギー対策室は、情報の有無と返答について、担当に確認し、グリーンピースに連絡するとしたが、時期については明言をさけた。
グリーンピース・インターナショナルのプルトニウム担当部長のショーン・バーニーは、担当部署として返還廃棄物の情報を把握しているべきだと批判した上で、海外からの使用済み核燃料を再処理した後の核廃棄物のほとんどがフランスに残されてしまっている実態を説明し、青森県六ヶ所村再処理工場が稼動すれば同じ問題に直面すると警告した。
同席したグリーンピース・ジャパンの核問題担当の鈴木かずえは、回答を求めるために、近々にも青森を再訪するとした。






添付資料:青森県県知事への返還廃棄物についての情報公開を求める申しいれ書


青森県知事 木村守男様

返還核廃棄物についての情報公開を求める申し入れ書
2001年3月30日

グリーンピース・インターナショナル プルトニウム担当部長 ショーン・バーニー
グリーン・アクション代表 アイリーン・美緒子・スミス


日本の電力会社と仏核燃料公社コジェマ社の間での再処理契約ベースロード分の再処理は終了し、これまでに、すでに2900トン以上の日本の使用済み核燃料がコジェマ社の工場UP2とUP3で再処理されました。

つきましては、以下の情報を直ちに公開されるよう要請します。

現在、海外で保管されている日本に返還される予定の核廃棄物の種類・放射性核種の内容・放射能量・体積・形態・状態・返還予定、そして、それらの核廃棄物が、現地フランスで、いつ、どのように処理されるのかの予定

理由は以下の通りです。

フランスでは国内法で、海外起源の核廃棄物はすべて顧客の国に送り返すことになっています。日本の政府、フランスの政府・原子力産業、専門家間では、再処理により、核廃棄物の体積・種類が増えることは、幅広く認められています。日本の科学技術庁(当時)も、体積が、20倍から30倍に増えることは認めています。

青森県と日本政府は、青森県の六ヶ所村核燃料サイクル施設が以上の返還核廃棄物の受入れ場所として指定されていることを承知しています。現在、6回の高レベルガラス個化体の返還輸送が行われ、合計464本のガラス個化体が返還されました。これらの高レベルガラス個化体には非常に大量の放射性物質が含まれていますが、コジェマ社による日本の使用済み核燃料の再処理によって、発生した放射性物質全体からみれば、ほんの一部に過ぎません。そして、フランスに残されている膨大な核廃棄物についての責任は、道義的・商業的・法的に、日本の電力会社にあります。

コジェマ社は、再処理運営上の輸送・貯蔵において違法行為を繰り返しており、膨大な核廃棄物がフランスに残されています。

六ヶ所村再処理施設は、コジェマ社の工場UP3の技術にもとづいて建設されています。六ヶ所村再処理施設が操業を開始すれば、同種の問題に直面することは明らかです。再処理により生み出される大量で、複雑化する核廃棄物の適切な管理・安全な処分方法は、欧州にも日本にも、世界のどこにも確立されたものはありません。

再処理契約には、核廃棄物の体積・放射性物質の量・形態・貯蔵方法などについての詳細が書かれています。青森県は、その全貌を県民・国民の前に明らかにすべきです。この情報を公開しないこと、および情報の存在を否定することは許されません。

3月27日に公表された、「原子力安全白書」は、国民への情報公開を進めると謳っています。直ちに、上記の情報を公開されるよう求めます。