国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、本日2月13日、神社本庁(東京都渋谷区)に、上関原発建設のために中国電力が取得を予定している神社の所有地を売らないようにと申し入れた。

上関原発予定地の一部分を所有しているのは、四代正八幡宮。宮司の林春彦氏は、「原発は人間・環境を破壊する。」として土地の売却を拒否している。神社の所有地は上関原発1号機の原子炉部分も含んでおり、土地の売却が進まなければ、原発は建設されない可能性が高い。
地元推進派による林宮司の解任に向ける運動が始まっているが、「死んでも原発に土地は売らない」と林宮司の意思は固い。ただ、東京にある神社本庁が林宮司の解任を決めれば、次の宮司は土地を売却してしまうと見られている。

このような状況から、グリーンピース・ジャパンは、本日、神社本庁を訪れ、神社地が売却されることのないように申し入れた。

神社本庁では、秘書課が対応し、総長に主旨を伝えるとした。

また、グリーンピース・ジャパンでは、本日から、多くの人の声を神社本庁に集めて、神社の所有地が売却されないようにするため、山口県神社庁長、神社本庁総長へ「神社地が中国電力に売却されることのないようにしてください。と書かれたハガキを送るキャンペーンを開始した。
まずは、グリーンピース・ジャパンのサポーター(会員)約5000人と全国の脱原発団体約100団体に配布した。希望者には無料で配布するとしている。ハガキセットの申し込み先は、FAX、E-mail、電話、ハガキいずれかで、下記。

グリーンピース・ジャパン
FAX:03-5351-5417
E-mail:[email protected]
電話:03-5351-5400
住所:151-0053 東京都渋谷区代々木1-35-1 代々木会館4F





申し入れ書

上関原発予定地の中の神社地が中国電力に売却されることのないようにしてください


神社本庁総長
工藤 伊豆様

2001年2月13日

国際環境保護団体グリーンピース・ジャパン
事務局長 志田 早苗
核問題担当 鈴木かずえ


原子力発電所は、日常的に放射能を環境に放出し、日常的に労働者を被曝することを前提につくられている施設であることから、多くの市民がその新設・増設計画を懸念したり、反対をしていることはご存知かと思います。しかし、そうした放射能の脅威を持ち出すまでもなく、上関原発の計画は、電力の需要が右肩上がりに増えつづけると思われていた時代に作られたものであり、地球温暖化防止のため電力需要を抑えなければならない、また、バブル崩壊後、電力需要が伸びていない現代には、全く不用の施設となっています。

幸い、上関原発建設予定の土地の重要な原子炉部分は、地元の神社の土地となっており、中国電力が容易に計画を進めることができないでいます。しかし、報道によれば、中国電力への神社地の売却を拒否している地元の神社に不当な圧力がかかっている様子がうかがわれます。地元の信任が厚い四代八幡宮の林宮司を解任させようという運動が始まっているとのことですが、これは、明らかに、「死んでも原発に土地を売らない」と明言している氏を追い出し、中国電力に神社地を売却するような人を後任にしたい原発立地推進派によるものと思われます。

つきましては、神社本庁総長殿におかれましても、上関の神社地が売却されることのないよう、ご協力いただきたく、以下、貴本庁に申入れします。

神社本庁においても、中国電力の上関原発立地計画に絶対反対の立場を取ること

四代八幡宮の神社地が中国電力に売却されるのを回避するため、あらゆる行動を取ること

神社本庁憲章第十条には「社有地をみだりに処分しないこと」とあります。大事な社有地を、命と環境を壊す原子力発電所に売り渡すようなことにならないよう、お願い申し上げます。