柏崎刈羽原発3号機用ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を積んだ輸送船は、南アフリカ経由をとるだろうとしてグリーンピースは、南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアに警告を発した。輸送には約60日かかる。

核輸送船「パシフィック・ピンテール号」は現地時間19日午前7時頃シェルブール港に入港。8時頃からプルトニウム燃料の入った輸送容器の積み込みが始まり、午前11時現在、2基目が積み込まれている。この後もう2基が、同船に積み込まれるもよう。
グリーンピースは、出港は午後4~5時(日本時間20日0時~1時)と見ている。「パシフィック・ピンテール号」を護衛する「パシフィック・ティール号」は現在、シェルブール港に姿は見せていず、沖で合流するもよう。

核兵器に転用可能なおよそ230キログラムのプルトニウムと約4トンものウランが、武装警護のための7トンもの弾薬と、燃料1,100トンともに、30,000キロメートルの航海に出ることに対し、グリーンピースは輸送ルートにあたる国々に警告を発してきた。
過去の6回にわたる高レベル放射性廃棄物輸送、1999年のプルトニウム燃料輸送時、あわせて20以上もの国々と地域が反対・憂慮の声を上げてきており、領海内または排他的経済水域内への侵入の禁止を求めている国もある。
先週、日本の高レベル放射性廃棄物を積んだ「パシフィック・スワン号」が南アメリカ南端のホーン岬を通過したが、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、チリからの抗議を受けている。アルゼンチンの高等裁判所は1月10日に、同政府に対して、同国の排他的経済水域内への侵入を阻止せよと命じている。「パシフィック・スワン号」はしかし、何度も排他的経済水域である200海里に侵入したという。

輸送ルートは、輸送船が、フランスの領海外に出た時点で発表されることになっている。これは、輸送ルート周辺諸国の、環境を保護する権利、国民の健康を守る権利を無視した行為で許されない。ニュージーランド外相は18日に発表した非難声明の中で「輸送を行う国々が、事故時の包括的な補償を行うことを拒否し続けているのが、大きな懸念である」としている。

グリーンピースは、地方裁判所よりコジェマ社の施設・輸送船に100メートル以下近づいてはならないという抗議行動差止めを命じられていたが、今日、ゴムボート1台、カヤック2隻、5人の水泳手が80もの仏海軍コマンド、30もの仏海軍のゴムボートをくぐり抜けて「パシフィック・ピンテール号」のかなり手前まで近づいての抗議行動を行った。

なお、前回日本へ運ばれたプルトニウム燃料のうち、関直前電分は、製造会社BNFL社のデータ不正事件のため英国へ送り返すことになっている。東電分は、現在、全国の市民1103人により装荷差止仮処分申請がなされており、福島地方裁判所で係争中である。輸送強行は、許されない。

* 現地の映像は、グリーンピース・インターナショナルの以下のサイトをご覧ください。

http://www.greenpeace.org/~nuclear/transport/mox00/news.html
http://www.greenpeace.org/~nuclear/transport/mox00/news1.html