グリーンピース・ジャパンは、12月18日、佐賀県に対しプルトニウムの利用をしないよう、申入れを行った。 対応した佐賀県原子力安全対策課は、プルサーマルについて慎重に進めると答えた。

佐賀県知事 井本勇様
2000年12月18日

プルトニウムの利用を認めないことを求める申入れ書

グリーンピース・ジャパン 核問題担当、鈴木かずえ
グリーンピース・インターナショナル プルトニウム問題担当部長、ショーン・バーニー

核燃料輸送容器の点検遅滞事件での行政と電力会社との癒着が明るみにでました。県民の命を守るのは、県知事、県の職員のみなさんにかかっていることが、改めて証明された形です。そこで、知事にお願いいたします。

グリーンピースでは、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の使用は、
一、ウラン燃料より、より危険である。(また、事故がおきればその深刻度が増す)
二、 プルトニウム燃料は核兵器に転用可能であり、国際的な軍事的緊張を招く。
三、 使用済みMOX燃料の処分方法が確立していない。
ことから、行うべきでないと考えています。また、労働者の被爆が増すことも問題です。

こうしたマイナス点と、ウラン燃料よりはるかに高くつくという問題があるのにもかかわらず、国がプルサーマル計画に執着しているのはなぜでしょうか。

「日本は資源が乏しいので、ウラン燃料を有効利用しなくてはいけない。」というのが国の説明ですが、資源が乏しいのであれば、省エネ、再生可能エネルギーの開発にこそ真剣に取り組むべきで、事故の危険性、被爆の増加、核拡散というリスクをおかしてまでプルサーマルに取り組むべきではありません。むしろ、国の本音は、たまりつづける使用済み核燃料を六ヶ所村再処理工場にもっていきたいがために、再処理で取り出されたプルトニウムの使い道としてプルサーマルを推し進めている、ということではないでしょうか。

そうした無責任な国の政策を、市民の命と財産を守るべき地方自治体が受け入れてしまっていいのでしょうか。
昨年、グリーンピースが貴県にプルサーマル計画の撤回を求めたとき、貴県は、まだ、電力から申し込まれていない段階であることから、そのお答えをいただけませんでした。しかし、その後、九州電力は2004年までにプルサーマルを開始したいと発表しています。事前了解願いが出されるその時、佐賀県はどう、お答えになるおつもりか。また、その後、英国核燃料会社BNFL社によるMOX燃料データねつ造事件も発覚しています。新潟、福島では国による説明会が開かれましたが、国はそこで熱望された情報公開に応じることができず、「県民理解ほど遠く」という状況です。具体的な実施時期について発表がされた現在、佐賀県としての姿勢をお聞かせください。