グリーンピース・ジャパンは、10月6日、京都の環境保護団体グリーンアクションとともに新潟県柏崎市を訪ね、以下の要請書を柏崎市長に手渡した。西川市長は「市としてもベルギーへの現地調査などを検討中だ。」と答えた。





柏崎市長

2000年10月6日

西川 正純様

グリーン・アクション/代表 アイリーン・美緒子・スミス
グリーンピース・ジャパン/核問題担当 鈴木かずえ


市民の安全を守るため、MOX燃料品質管理の独自調査と公開を!


去る9月18日に、貴市議会はベルゴニュークリア社へのMOX燃料の調査実施と調査の結果、その安全性、健全性が確認された場合には、その根拠のデータを一般に公開することを求める意見書を採択しました。まさに、地域住民の側に立った市政であると感じました。

現在福島地方裁判所では、ベルゴニュークリア社製の東京電力福島第一原発3号機用MOX燃料の使用差止を求めて日本全国の市民1107人が原告となり、東京電力を相手取っての裁判が行われています。大きな焦点は、安全性を担保できるようなデータが公開されていないということと、燃料ペレットの抜き取り検査中に不合格品が1つもでなかったというのが事実なら、それは統計学的にまずありえないことから、抜き取り検査中に不正が行われたのではないかという疑義です。

我々は、スタッフをベルギーに派遣しベルゴニュークリア社に面会を希望しましたが、拒否されました。その理由を尋ねたところ、東京電力が会うなと言ったからとのことでした。東京電力はなぜ市民の知る権利まで奪おうとするのでしょうか。

ベルギーでは、貴市議会が意見書を採択した2日後の9月20日に、ベルゴニュークリア社MOX加工工場の近郊の都市、モル市市長Sus Luyten氏と会見しました。

市長は、会見の中で

市民に情報を公開しないのは、無責任である。
近代国家として、他国の国民に対してのこのようなふるまいは、受け入れることはできない。
モル市地域も、同じ問題を抱えており、日本市民への連帯を表明する。
データ公開のために、できうる限りの努力をしたい。

と述べました。会見には、ベルゴニュークリア社工場や隣接の核施設からの放射能汚染などと闘っている市議会議員の方や、地元活動家の方たちも同席していただきました。

以上を踏まえ、以下を要請いたします。

市民の安全を守るため、独立の専門家を含むMOX燃料品質管理調査団を組織し、市としての独自調査をし、その結果を公開してください。

柏崎原発用MOX燃料の安全性が確認されるまで燃料の輸送を延期するよう国・事業者にはたらきかけてください。