本日午後1時半より5時まで、東電福島MOX燃料装荷差止め仮処分申請の第二回審尋が福島地裁で行われた。8月10日に行われた第一回審尋では、原告側からの説明が行われたが、今回は、これを受けて東京電力側が提出した答弁書に沿って、東電側が説明を行った。
原告の数は申請時よりさらに増え、総数1,107名となり、うち、214名は福島県民である。

答弁書の中で東京電力は、第一回審尋で原告側から、
「東電が福島用MOX燃料片(ペレット)の寸法検査で不合格はなかったと説明しているが、ペレット43万個からの抜き取り検査で不合格品が出ないのは、統計的にありえず、不正を行った疑いがある」と主張した点について、
「ベルゴ社の豊富な製造実績、製造に先行した工場監査、製造確認試験及び製造期間中の立ち会い検査によって、ベルゴ社の品質は高レベルにあることを確認している。」
「本件MOX燃料の品質、特にペレット外径寸法は仕様に適合した妥当なものでありこれに反する債権者らの主張は特異な発想、独断に基づく誤りである」と答弁した。

これに対して裁判官は、データの抜き取り検査の結果、不合格率がゼロであることについて原告が説明を求めた件につき、東電側が明確に反論していないことを指摘して、明確な反論を用意するよう、東電側に命じた。

また、原告側が求めている抜き取り検査のデータの完全な開示については、東電側は、
「公開に関してはベルゴニュークリア社の判断にまかせており、企業秘密に属する事項である。」
と不完全な開示しか行わない理由を説明をした。


今回の審尋では、次回以降年内3回の日程が決まった。

・10月27日:4時~5時半
・11月28日:10時~12時
・12月26日:13時半~

また、これを受けて、原告側からは、「審尋のある間はMOX燃料の装荷を行わない」よう東電側に口頭で要請をした。

今回、原告側から出席したのは、福島県民ら12人。原告側の弁護士は、海渡雄一氏、河合弘之氏、斉藤利幸氏3名が出席した。