【日本・清水/オランダ・アムステルダム】

本日 9時前、清水港に、違法に捕獲されたマグロを積んだ冷凍運搬船「はつかり」が入港した。グリーンピースは、水産庁に対し、清水港への荷揚げをくい止めるよう、要請した。今年、このマグロ運搬船が大西洋で違法的に漁業をしていた「海賊」の便宜置籍船*1 からマグロを積み替えているなどを記録した。

「”はつかり” のような船は世界中の海賊漁船団に決定的なサポートを与えていて、廃絶すべきである。グリーンピースは日本政府に “はつかり” の違法なマグロの荷揚げを止めるように呼びかけている。」とグリーンピース・インターナショナルの国際漁業キャンペーナー へレン・ブールスがコメントした。

今年の5月に、グリーンピースのキャンペーン船グリーンピース号は、アンゴラ沖数百マイルの公海に「はつかり」を発見した。「はつかり」が、大西洋で違法に操業しているベリーズとカンボジア船籍の漁船からマグロを積み替えたり、漁のための餌を補給したり、船の整備などのサービスをしていることを映像記録した。*2

グリーンピースは、7月18日付で中須勇雄水産庁長官に書簡を提出し、「はつかり」が日本に向かっていることを水産庁に通報した。「はつかり」は日本の会社である株式会社アトラスマリンの所有物で、パナマ船籍である。

世界中で1,300隻以上の海賊漁船が操業しているとグリーンピースは推定しており、そのほとんどがベリーズ、ホンデュラス、パナマ、セント・ビンセントの船籍をとっている。海賊漁業は海洋生物多様性と、法律を遵守して行われる漁業を脅かしている。グリーンピースは、日本とその他の政府に下記のことを要請している:

便宜置籍船の漁船とその関係の輸送船などに対して日本への入港を認めないこと
便宜置籍船が捕った魚に関して市場への流入を止めること
便宜置籍船の漁船と漁業関係の輸送船などの所有および操業を禁止すること



*1:便宜的に船籍を置かれている国はその国の船籍での船の操業を許可するが、その操業内容に関係する法規制を厳守することを保証するわけではない。漁業資源の保護や漁業管理の規制、安全・労働基準の縛りをかいくぐるために、漁船の所有者及び会社がそういう国の船籍を使う。

*2:グリーンピース号は、冷凍運搬船「はつかり」の下記の行動を確認した:

・ベリーズ船籍のはえ縄マグロ漁船 “Jackie 11” 号に餌を届けた。
・カンボジア船籍のはえ縄マグロ漁船 “Benny 87″ 号から約70トンのメバチマグロを積み替えた。また、”Benny 87” 号に餌を届けた。
・ベリーズ船籍のはえ縄マグロ漁船 “Jeffrey 816” の整備を行った。(これは、暗くなってからのやり取りだったため、詳細を確認することができなかった。)

上記の漁船の全てがICCATの規制に違反した操業を行っている便宜置籍船であり、ICCATがまとめた違法操業船リストに載っている。
大西洋まぐろ類保存委員会(ICCAT)加盟国は「ICCAT加盟国の運搬船はICCATが管轄するマグロを加盟国等の船籍を持つ船からのみ、受け取ること」と定めたICCATの勧告 “97-11” に違反している。