グリーンピースによって会議場外に設営されたビデオスクリーンが仏再処理工場の海底排出口を生中継で映し出す中欧州15か国とEUの代表が北東大西洋海域の汚染防止を話し会うオスパール委員会会議がコペンハーゲンで26日に始まった。

OECDの原子力機関による再処理と乾式貯蔵という選択肢の比較研究を検討する部会が公式な開会前にデンマークの環境大臣スヴェン・オーケンによってもたれた。オーケン大臣は透明性の重要性、海洋環境保護のためのより効果的な実行プログラム、再処理工場からの排出の停止の必要性について焦点を当てた、力強い演説を行なった。官僚の用意した原稿を読まず、自分の言葉で語った。

その部会では、原子力機関の報告が排出禁止を支持しているかどうかが話し合われ、結果は本会議で27日に部会議長から報告される。また、欧州の再処理工場からの放射性物質排出停止を求めるデンマーク提案が部会ではなく、本会議で話し合われることも決まった。英仏は排出削減の基準年を1998年にせず、いったん排出を増やしてから、そこからの削減として取り決めようとしている。排出についての討議は27日火曜日の午後から始まる予定。現在、デンマーク案には、デンマーク、アイスランド、ルクセンブルグ、ノルウエー、ポルトガル、アイルランド、スウェーデン、そして日本へMOX燃料を納入しているベルギーが賛成か賛成する見通し。ドイツ、オランダもなんらかの修正の上賛成する見込みもり、採択には12の賛成票が必要なため、スイス、フィンランド、スペインの動向が注目される。見通しは会議の動向により変わりうるが、英仏が厳しい立場に立たされることは間違いない。

初日は当該海域の海洋環境現状報告を討議した。30日金曜日に採択されるもよう。英国は英仏再処理工場からの海流図の削除を画策している。グリーンピースはこれを会議上、事実隠蔽と避難した。



欧州市民は放射能排出に反対

グリーンピースが世論調査結果発表―6月25日
パリ/コペンハーゲン6月25日発

原発の使用済核燃料の再処理契約を結んでいる欧州の国々に住む10人のうち8人が、放射性廃棄物の海洋への排出を止め、禁止すべきだと考えていることが、国際環境保護団体グリーンピースの世論調査でわかった。

世論調査はコペンハーゲンで、翌日にオスパール委員会会議開催をひかえた25日に発表された。

調査は独立機関によって行われた。英仏と再処理契約を結ぶ7か国の個人1000人に、船舶からの海洋投棄と同じように、陸上からの放射性廃棄物排出も禁止すべきと思うかどうかを聞いた。

それぞれの国の大半の人々が放射性廃棄物の排出の欧州での禁止を支持した。結果は、ドイツー94% スイスー87% 英国―85% オランダー81% フランスー80% スペインー79% ベルギー69%。

グリーンピース代表団団長のレミ・パーメンティアは、「再処理せずに、直接乾式貯蔵するという代替がある。排出された放射性廃棄物が原因で、アイルランド、スカンディナビア、アイスランド、大西洋沖の海産物から放射能が検出されている。排出を止めなければ、やがて、何百万人もの人々の健康に影響を与えるだろう。」と述べている。


数千もの放射性廃棄物ドラム缶が海中で錆びて崩壊

6月19日

グリーンピースは大西洋での海底調査で1950年から1963年の間に投棄された数千もの放射性廃棄物ドラム缶が、ラアーグ岬から北西15キロ深さ100メートルの英領海海底で錆びて破壊している状況を撮影した。
(グリーンピース・インターナショナルのオスパールサイトに映像あり)