【東京/アムステルダム発】

5月15日、アジアからヨーロッパ、中近東から北南米まで、各国のグリーンピースは、正式に告訴されないまま拘禁が7日目に入った4人の活動家の即時解放を要求し、世界中で抗議行動を起している。また、国際人権擁護団体アムネスティー・インターナショナルも、こうした日本の拘禁手続きに対して、グリーンピースとともに抗議の声を挙げている。

グリーンピースは、15日を「インターナショナル・アクション・デー」とし、15カ国以上でサポーターが日本大使館に集まって、国際法に義務づけられている表現の自由を日本政府も認めるよう求めている。

オランダの抗議行動について、グリーンピース・インターナショナルの事務局長ティロ・ボーデは、「これは、環境に悪影響を与えている有害物質の排出に対する正当かつ平和的な抗議を封じる企てである。表現の自由という国際的な権利を行使し焼却及びダイオキシン排出の危険性を世界にアピールしていた4人の活動家を解放するように呼びかける。」と述べた。

先週(5月12日)、東京地方裁判所はグリーンピースの4人の活動家に対して、10日間の勾留を決定した。現在、彼らは池袋、駒込、野方、立川署の留置場、いわゆる代用監獄に拘禁され続けている。規約人権委員会が発表した、日本に関する最新のレポートでは、代用監獄制度は拘束人の根本的な権利を制限するものであるとし、厳しく非難している。*1

「この平和的な活動家に対する過剰な扱い方は、環境保護活動を封じ、脅迫しようとする企てである。活動家達は起訴も裁判もないまま、拘禁されている。これは、国際的な人権の基準からみれば、逸脱した措置である」と、アムネスティー・インターナショナルは述べている。

4人の活動家は(イギリスのアル・べイカー、ベルギーのマリーン・ヴァン・ポーク、香港のクレメント・ラム、オランダのポール・ショート)、先週の火曜日(5月9日)に東京で、環境中に排出されるダイオキシンの問題をアピールし、焼却偏重の日本のごみ処理対策を批判する、横断幕を掲げるという行動のあと、逮捕された。

グリーンピースが5月9日に東京で行ったアクションは、日本の過剰なごみ焼却が、地域(とりわけ焼却場の周辺)及び世界の環境と健康に与える脅威を警告する目的で行われた。世界のどの国よりも多くの焼却炉を有する日本は、世界最大のダイオキシン大気排出国となっている。昨年環境庁が発表したダイオキシンに関する日本の魚介類の平均濃度は、米国環境保護庁が “食用に不適” と勧告している値の2倍近くにあたる。



注1:規約40条に基き、締約日によって提出された報告
1998年11月19日 規約人権委員会による最終見解には、日本の「代用監獄」制度について次のような趣旨の所見が記され、国際的な批判の対象となっている。