【東京発】

5月11日午前8時すぎ、晴海埠頭に停泊中のグリーンピースのキャンペーン船「虹の戦士」号(オランダ船籍、555トン)に、警視庁池袋署による家宅捜索が入った。捜査員の数は50人以上。

また、グリーンピース・ジャパンの事務所(渋谷区代々木1-35-1 代々木会館4F)にも、9時40分ごろ、家宅捜索が入った。捜査員の数は12人。

事務所の家宅捜索は午後1時5分に終了、虹の戦士号の家宅捜索は、5時38分に終了した。

船長のジョエル・スチュワート(5月10日に、ピーター・ウィルコックスと交代)は、オランダ大使館と弁護士の立ち会いを求め、大使館は人員を派遣しようとしていたが警察署から拒否され、現地に赴いた弁護士も、「船長が立ち会い、通訳をこちらが用意したので必要ない」と、家宅捜索への立ち会いを拒否された。

乗組員たちは船内にとどまったが、グリーンピース・ジャパンの事務局長以下関係者は、埠頭のゲート前で止められ、船に近づくことさえ拒否されていた。

これは、5月9日にグリーンピースが行ったアクションに対するもの。

5月9日には、豊島清掃工場の敷地内にある建物に、「ゴミの焼却」偏重に対する警告を発する横断幕を掲げるアクションを行い、活動家4人(英国人、オランダ人、ベルギー人、カナダ国籍を持つグリーンピース・チャイナ(香港)のスタッフ)が逮捕され、現在も拘束されている。

彼らは日本の焼却偏重のごみ処理の危険性に警告を発するための横断幕を掲げただけであり、アピール終了の際には、自主的に横断幕を回収して安全に地上へ降りてきた。

グリーンピースの今回の行動は、暴力的でも破壊的行為でもなく、平和的に行われた。よって、この逮捕および家宅捜索は不当であると考える。




■ 背 景 :

グリーンピースは、昨年11月末から約5ヶ月余にわたり、インド、タイ、フィリピン、港で「汚染なきアジア」ツアーを行い、アジア地域の有害物質汚染問題を告発してきた。

日本でのキャンペーンは4月10日に始まり、

香川県・豊島の産業廃棄物不法投棄問題の早期解決を求めたアピールと県庁への申入れ

山口県の徳山市(トクヤマ)、新南陽市(東ソー)、兵庫県(鐘淵化学)の塩化ビニル(モノマー)工場の廃水調査発表とアピール、塩化ビニル製造過程で生じるダイオキシンの問題の指摘

広島県の上黒島への廃棄物持ち込み停止の要請とアクション

そして、日本の「ゴミ焼却」偏重に警告を発するアクションを展開してきた。

また、4月18日には山口県沖で、上関原発の建設に反対している漁師らの船55隻とともに、海上パレードを行った。また、坂出、広島、大阪、東京で船の一般公開を行い、多数の来場者との交流を果たしてきた。