本日午前9時前、国際環境保護団体グリーンピースの活動家4人(日本、カナダ、米国)は、横浜港に着岸したコンテナ輸送船WANHE号に乗り込み、「PCB これはアメリカのゴミ USA – Toxic Criminal」と書かれた横段幕を船上でひろげ、同船が載せている米軍のPCB廃棄物については、米国が環境汚染を招かずに処理する責任をとるようアピールした。

それと同時にグリーンピースは、米国大使館に対して、本日米国・カナダを経て送還されてきた在日米軍のPCB廃棄物に関して、

・焼却処理を行わないこと ・汚染者負担の原則 ・米国の責任において処理を行うこと ・地域社会の権利の保証
を要請する申入れ書を送付した。


WANHE号に乗り込んだグリーンピースの活動家4人は、2人がコンテナの上に登り、残る2人が船の縁に体をチェーンで括り付けて、米国が要請に応じることを求めて船上で抗議をつづけ、荷揚げを食い止めていた。

午後4時15分になって、米国大使館との電話連絡により、「このPCB廃棄物を環境に害のない方法で処理する」という言質をとることができたため、要請の一部が達成されたとしてグリーンピースは抗議行動を終了した。その後活動家4人は神奈川県山手署へ任意同行を求められ、上申書を書き、午後6時13分に解放された。

WANHE号が着岸する際にも2隻のゴムボートによる海上行動も行ったため、本日の抗議行動は全体で8時間を超えるものとなった。

米国はこれまで、PCB廃棄物の処理を、焼却という二次汚染をもたらす危険な方法で行ってきた。大量のPCB廃棄物を抱える米国が、環境汚染を引き起こさない処理を約束したということは、大量に蓄積されているPCB廃棄物による汚染の危機を回避できる重要な前進となった。

しかしながら、環境に害のない方法というのが、具体的にどんな処理法を指すのかについては、今後確認をしていく必要がある。


* 本日の抗議行動の趣旨については、本日午前9時発表のプレスリリースを参照のこと