【香川県発】

国際環境保護団体グリーンピースのスタッフ14名は、14日に香川県豊島の産業廃棄物の不法投棄現場を視察したのに続き、本日、この件に関して、香川県庁へ申入れを行った。(添付資料参照)

要請に当たり、去る4月14日に豊島の産業廃棄物投棄現場を視察した際に採取した廃棄物約20kgと、滲出水のサンプルを持参し、添付資料として県に提出した。この添付資料は、香川県に、自身が引き起こした問題の責任を突きつけるため。有害な廃棄物が放置されている深刻さと廃棄物を押し付けられる側の立場を認識して今後の処理にあたるよう念押しするものである。

グリーンピースは1996年にキャンペーン船「グリーンピース」号で豊島に初めて訪れ、現状回復や責任の明確化を要請して以来、早期解決や環境汚染の防止のための要請を行ってきた。

今回、グリーンピース本部のスタッフ及び「虹の戦士」号乗組員が豊島を再訪したが、投棄された廃棄物が長期間にわたり環境汚染を引き起こしていることは明白であるにもかかわらず、いまだに汚染の拡散を防ぐ措置も取られてきていないことを確認することとなった。本日、グリーンピースはこの理由を香川県に問いただすと同時に、あらためて以下2点を要請した。

豊島で産業廃棄物不法投棄とその被害に関して、それらを引き起こした香川県の責任を明確にした上で早急に後始末、即ち、完全に汚染を取り除き原状回復を行うこと

廃棄物処理に当たって二次汚染を起こさないこと。そのためにも、有害物質汚染を起こす「焼却」という手段は用いないこと。

グリーンピースは現在、「汚染なき未来へ」と題して、キャンペーン船「虹の戦士」号で瀬戸内海ツアーを行っている。





豊島の産業廃棄物不法投棄問題に関する申入書

2000年4月17日
香川県知事
真鍋武紀殿

グリーンピース


私達、国際環境保護団体グリーンピースは、4年前に豊島の産業廃棄物不法投棄現場を初めて視察した後、貴県に対し、現状回復と責任の明確化を要請いたしました。その後も、早期解決と緊急的な汚染防止措置に関する要請を繰り返して参りました。十数年にわたって続けられていた有害廃棄物の野焼きや不法投棄を、本来環境や人の生活の安全を守る立場にあるはずの行政が見過ごし、助長してきたこと自体信じがたい行為です。が、これに加え、環境汚染を引き起こしていることが明瞭であるにもかかわらず、今日までその有害廃棄物が放置され、汚染の拡散を防ぐ手だてさえ何も取られていないことを我々は深く憂慮しております(添付資料1、2を参照)。

この重大な環境破壊に対してなすべきことは、即刻、責任のある者が汚染の後始末をすること、そして今後、同じ過ちを繰り返さないことです。

あらゆる環境破壊とその被害において、それらがなぜ引き起こされたかという責任を明確にして、責任を負う者がその後始末をすることが鉄則です。豊島事件に関してもこれを貫かなければなりません。それが完遂されて初めて、二度と同じことを繰り返さないということが担保されるはずです。

また、一旦大規模な環境汚染が引き起こされれば、それは周辺の環境への修復は極めて困難です。十余年にわたるとされる、豊島に投棄されている産業廃棄物の処理に際しても、処理が二次的な汚染源とならないことを確実にしなければなりません。

ついては、以下を申し入れます。

豊島で産業廃棄物不法投棄とその被害に関して、それらを引き起こした香川県の責任を明確にした上で早急に後始末、即ち、完全に汚染を取り除き原状回復を行うこと。

廃棄物処理に当たって二次汚染を起こさないこと。そのためにも、有害物質汚染を起こす「焼却」という手段は用いないこと。

添付資料1:豊島の産業廃棄物投棄現場で採取した廃棄物約20kg
添付資料2:豊島の産業廃棄物投棄現場で採取した滲出水