本日より国際環境保護団体グリーンピースは、キャンペーン船レインボーウォーリア(虹の戦士)号で日本ツアーを開始します。*1

今回の来日は、日本ツアーは、「汚染なきアジアへ」をテーマとして、昨年の12月からインド、タイ、フィリピン、香港を巡り、有害物質汚染の問題を告発してきたアジア地域キャンペーンの一環で、日本がツアーの終着点に当たります。
これまでに訪れた各国では、有害物質汚染をテーマとして問題の告発、調査、抗議行動などを行ってきました。日本では、三週間ほど瀬戸内海地域でキャンペーンツアーを行い、そのあと5月始めに東京へ向かう予定。

瀬戸内海は国立公園でもあり、美しいかけがえのない海として多くの人々がその環境保全に関心をもっている地域です。瀬戸内海については環境保全のための法がつくられて四半世紀がたちますが、まだダイオキシンなどの難分解性有機汚染物質(POPs)や内分泌撹乱物質といった見えない汚染や、廃棄物の持ち込みがあり、これらは依然、閉鎖性の海域にとって大きな脅威です。*2

一方、世界の閉鎖性水域へ目を向ければ、こうした残留性有機物質による汚染防止にむけた新たな試みを見ることができます。
北海、バルト海、地中海、大西洋北東部などの周辺諸国の間ではすでに、予防原則(未然防止の原則)の下、閉鎖性水域への有害物質の流入をなくすという合意が、なされています。そして、現在進行中の、ダイオキシンなど難分解性有機汚染物質(POPs)を国際規制する条約交渉の場でも、世界的に「排出全廃」という目標が求められています。(注:日本も参加しているが、排出全廃という目標には後ろ向き)

今回のツアーでは「汚染なき未来へ」をスローガンに、あらゆる方向から汚染を受ける恐れがあり、最も脆い環境のひとつであるこの閉鎖性の地域から、汚染のない未来像を描こうという呼びかけを発します。

船の一般公開は、4月16日坂出港(香川県)、4月23日広島港です。いずれも10:00~17:00。

4月10日、広島の宇品海岸外貿埠頭に停泊中の、虹の戦士号。今回のキャンペーンで用いるバナーを掲げている。(田島征三さん筆)

【参考】

*1:初代の「虹の戦士」号は1985年太平洋におけるフランスの核実験の抗議に向かう途中、フランスの特殊部隊によってニュージーランドで爆破され、沈没し、今回来日の船は二代目です。船長ピーター・ウィルコックス(Peter Wilcox。アメリカ・47才)は、初代「虹の戦士」号のその当時の船長でした。

*2:国連環境計画の昨年発表した報告書によると、日本は先進国中のダイオキシン大気排出の約半分を占める最大の排出国。

グリーンピースのアジアツアーの詳細、写真など:http://www.greenpeace.org/~toxics/toxfreeasia/