福井県高浜町の高浜原発3、4号機で使用される予定だったMOX燃料の検査データねつ造問題で来日した英国代表団は、本日、環境保護団体らとの会談で、日本政府が、英国側に、英国核燃料会社(BNFL)MOX燃料データねつ造事件報告書の発表の1週間延期を依頼したことを明らかにした。理由は、本来発表予定の11日が祝日だから、というもの。
「報告書の内容を日本側の要望とすりあわせるために延期したのでは」という環境保護団体側からの指摘に英国側は「報告の内容は、訪日前と後で、一言一句変えない」と明言した。

来日したのは原子力施設の規制庁である英国原子力施設検査局(NII)からローレンス・ウィリアムス検査官長ら、原子力産業全体に責任を持つ貿易産業省(DTI)からアンナ・ウォーカーエネルギー総局長ら。NIIは9日、DTIは11日、環境保護団体らと会談した。

会談の中で来日の目的は「謝罪」と「信頼回復」だが、日本政府と、高浜原発にあるデータねつ造燃料の返還問題も話したと述べた。
英国側は当初「返還には反対、処理は日本の問題」としていたが、今日、ウォーカー氏は環境保護団体らに「契約上、返還について、どう決められているのかを見る必要がある」としながらも、「返還も選択肢」と述べた。

NIIが作成した報告書は18日の日本時間午後7時半に英国で公表され、インターネットで公開される。
報告は、
事件の経緯/評価/示唆するもの/もし、ねつ造が行われたのなら、誰が、なぜ、行なったのか/燃料の安全性への意味/勧告 で構成されているという。

検査官長はまた、BNFLのMOX燃料加工工場は、閉鎖されており、BNFLが、検査官長の満足のいく対応をとるまで、閉鎖されると述べた。

また、会談中、グリーンピース・ジャパンは、MOX燃料使用は、国会で議論されたこともなく、国民の合意も無いことを説明し、そもそも使用済核燃料の再処理の中止を求めた。

本日の会談に参加したのは、原子力発電に反対する福井県民会議、グリーンアクション、美浜の会、グリーンピース・ジャパン、原子力資料情報室、福島瑞穂参議院議員秘書の竹村英明氏。9日の会談には、福井県民会議をのぞく各団体・諸氏と、清水澄子参議院議員、日本弁護士連合会公害対策・環境保全委員会エネルギー原子力部会部会長の海渡雄一氏。