国際環境保護団体グリーンピースは、本日、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の英国への返送計画を非難した。
計画を「ばかげている」「間違った方向へ進ませるものだ」とし、この計画は、日本のプルトニウム計画の失敗をさらすものだとし、こうした核物質輸送による地球環境への脅威の続行をあらためて示すものとしている。

報道によれば、関西電力は1月11日、英国核燃料会社(BNFL)により送られたプルトニウム燃料を、データねつ造問題のため、送り返す方針を決めたという。この燃料には、およそ225kgの核兵器転用可能なプルトニウムが含まれている。

昨年、BNFLの燃料品質管理データの操作・ねつ造に対する、この燃料の返送という一見劇的にも見える決定は、様々な醜聞や事故によって追いつめられた日本、英国の両国のプルトニウム産業と政府にとり、恥の上塗りである。

1999年に行われた、英国から日本への第1回目のプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料輸送には、国際的な非難が集中した。アフリカ、アジア、カリブ諸国、欧州、ラテンアメリカ、南太平洋の諸国はこの輸送を非難し、数多くの国々が領海通過を禁じた。こうした国際的な非難は輸送が環境、人間に与えるリスクと、核拡散のリスクとに基づいている。

「昨年の輸送は地球規模の安全保障と環境を脅かすもので、全く正当性を持たないものであった」とグリーンピースのショーン・バーニーは述べた。
「今になって、日本はこの燃料の使用が危険といって返送しようという。この無謀で全く必要の無い輸送によって脅威に晒される何百万もの人々の危険についてはどう考えているのか? 輸送はされるべきでない。日本は、プルトニウム計画の失敗を認め、放棄すべきだ」

グリーンピースは、今や5トンを超える、日本の保有する核兵器転用可能なプルトニウム量について憂慮している。今あるプルトニウム燃料については、核兵器への転用を不可能にするよう処理した上、核廃棄物として扱いべきだと主張する。

「日本は核軍縮と核不拡散に重要な役割をになっていると見られているが、プルトニウム利用計画の拡大とプルトニウム保有量の増大はその日本に泥を塗るばかりか、核不拡散の国際スキームも危うくするものである」

「日本はこの恥じをプルトニウムへの野望を放棄する機会と捉えるべきである。日本はフランス、英国とのすべての契約を破棄し、現在送っている使用済み核燃料の再処理も、中止すべきである」とグリーンピースは主張する。