「見直そう! こどものおもちゃ」実行委員会・合同プレスリリース

「塩ビとダイオキシンを考える」東京市民会議実行委員会
グリーンピース・ジャパン
東京マイコープ本部環境委員会
日本消費者連盟
婦人民主クラブ


本日、「見直そう! こどものおもちゃ」実行委員会(上記5団体で構成)は、子どもむけの塩化ビニル玩具を、緊急に禁止することを求め、厚生省前でアピールを行った。

同実行委員会は「塩ビのおもちゃの禁止を」「子どもの口に毒=塩ビを入れるな」等と書いたプラカードを掲げ、また、クリスマスを目前にしてサンタクロースが「安全なおもちゃを届けたい」というメッセージを掲げてアピールした。
その後、同団体は厚生省食品化学科へ塩ビ玩具の緊急禁止を申入れ、厚生大臣、環境庁長官あてに要望書を提出した。

軟らかい塩ビのおもちゃは、有害物質のフタル酸エステル類を多量に含んでいる。フタル酸エステル類には発がん性や肝臓や腎臓、生殖系への悪影響などの有害性が、示されてきている。
5団体は1998年から塩ビ玩具の規制や廃止を求めて厚生省や玩具の業界団体である日本玩具協会へ、要望を行ってきた。
(資料1)
これまでヨーロッパを始め、北米、南米諸国でも世界各国で塩ビ玩具の規制や警告が行われてきた(資料2) ことに加え、今回欧州連合(EU)は、EU全域で、6種類のフタル酸エステル類*を含んだ、口に入れる玩具あるいは子ども用品について緊急的に禁止” する決定を採択した。(資料3)
このように、すでに国際的な禁止が始まった塩ビ玩具だが、日本ではいまだに何の規制も警告もなされていない。

今回の5団体による緊急要請行動は、EUでも全域で規制が始まったことを受け、日本ではいまだに何の規制も行われていない塩ビのおもちゃによって、子供たちが有害物質にさらされる危険性を訴え、クリスマスを前に緊急的な塩ビ玩具の禁止を求めるもの。(* DINP、DEHP、DBP、DIDP、DNOP、BBPの6種類)

今年10月にまとめられた厚生科学研究「おもちゃからのフタル酸エステルの溶出に関する調査研究」でも、小さい子どもが口に入れやすいおもちゃに、大量のフタル酸エステル類が含まれていることが確認され、DINPを58%(重量比)も含む製品(おしゃぶり)も報告されている(資料4)。

更にこの調査研究では「条件によっては多量の可塑剤が溶出される危険を含んでおり、幼児がなめたり、かんだりすることによってフタル酸エステル等可塑剤の摂取はさけられないことが推測される。 フタル酸エステル類の生体への影響については種々報告されており、幼児が使用するこれらおもちゃの可塑剤について慎重に扱う必要がある」
「これらフタル酸エステル類を含有しないものを製品化しなければならないと思われる」と指摘されている(資料5)。
また、大阪市消費者センターでも、消費者への注意を呼びかけている。(資料6)

多くの国々ですでに規制の始まった軟質塩ビ玩具。これに対して何の具体策も取られていない日本は、「子どもの健康後進国」であり、厚生省の責任は重大である。
国内外の対応や警告を真剣に受け止め、厚生省は緊急に塩ビおもちゃの規制措置をとるべきである。