おかげさまで、グリーンピース・インターナショナルの銀行口座凍結が解除されました。トニー・ブレア首相宛ての要請文を書いていただきました皆様、ご協力まことにありがとうございました。


グリーンピース・インターナショナルは、銀行口座凍結を解除する訴訟を起こすため、8月2日(月)、裁判審理を予定していたが、その直前の7月30日(金)、英国核燃料公社(BNFL)は、一方的に銀行口座凍結を取り下げた。

「裁判審理の直前にBNFLが銀行口座凍結を取り下げたことは、BNFLが行った法的な脅しに何の根拠もなかったことを表している。明らかにBNFLは、危険なプルトニウム輸送に反対する、政治そして世論からの圧力を感じ始めている。
今彼らは、喜望峰を経由し日本に向かっている輸送に反対する国際世論がこれ以上増えないことを避けようとしている」
とグリーンピース・インターナショナルの核問題担当サイモン・バクスターは述べた。

BNFLは、7月19日(月)に英国バロー港でプルトニウム輸送船パシフィック・ティール号の出発に対し行ったグリーンピースの抗議について、90,000ポンドの損害賠償を請求しているが、グリーンピースはこれを取り下げるよう要求した。

「グリーンピースの平和的抗議を沈黙させようとしたBNFLの攻撃的な法的企ては、失敗する。BNFLがプルトニウム輸送の危険に抗議する世論を止めることができる唯一の方法は、さらなる輸送を止め、MOXプルトニウムの生産と使用の拡大計画を終焉させることである」
とサイモン・バクスターは述べている。

今回の輸送で、プルトニウム輸送の周辺国に及ぼす危険に対する国際的抗議が高まっている。
これまですでに、アイルランド・ニュージーランド・南アメリカ・韓国政府から安全と警備の問題点が挙げられている。カリブ海地域の25カ国の政府(Association of Caribbean States-ACS)と南太平洋フォーラムの16ケ国の政府が、MOXプルトニウム輸送に懸念を表明している。

南太平洋フォーラムは、7月23日輸送について懸念の声明を発表し、各国は輸送中のいかなる事故についての保障の議論について英、仏、日本政府から “納得も強要” もさせられることができなかった、と訴えている。
カリコム(カリブ地域フォーラム・CARICOM : the Heads of State of Caribbean Community)は、7月16日に出した声明のなかで、
「危険な物質を運ぶというカリブ海の悪用しないよう要請しているカリブ諸国に対し、無神経かつ侮辱的に無視している英、仏、日本政府は、特に無礼である」と述べている。

グリーンピースは、今後もプルトニウム輸送が及ぼす環境破壊と核拡散への危険性を世論に訴え続ける。