本日グリーンピース・ジャパンは以下の抗議ならびに要請を厚生大臣、環境庁長官に提出いたしました。


厚生大臣、宮下創平殿
環境庁長官、真鍋二殿
1999年6月21日

ダイオキシン耐容一日摂取量の値の決定に関する抗議ならびに要請


本日午後開催された、環境庁環境審議会環境保健部会ダイオキシンリスク評価小委員会と厚生省生活環境審議会食品衛生調査会ダイオキシン健康影響評価特別部会の合同会議の結果に対して、抗議ならびに以下を要請いたします。

上記合同会議で、4pg/kg/dayを当面のダイオキシンの耐容一日摂取量とすることが適当、と決定されました。
しかし、人々の 健康リスクや、環境曝露の防止や抑制に関して検討を行ってきたWHO欧州事務局専門家会合は、ダイオキシン耐容一日摂取量は1~4pg/kg/dayの範囲としており、かつ最大耐用摂取量を暫定的に4pg/kg/dayとし、人の摂取レベルを最終的には1pg/kg/day未満を目標として減じることという結論を出しています。

耐容一日摂取量の設定は今後の一連のダイオキシン基準作りや排出削減対策の内容に影響するものであり、今回耐容一日摂取量が4pg/kg/dayという高い値に設定され、かつWHOの結論したように1pg/kg/day未満を目指して減らしてゆくという方向性も打ち出されていないことは、今後の一連のダイオキシン汚染対策をも弱めるものとして、グリーンピースは抗議いたします。

今年9月には、2000年に締結の見込まれている難分解性有機汚染物質(POPs)の国際規制に関する条約の第3回政府間会合が開かれます。著しいダイオキシン汚染を排出している工業先進国として、日本がダイオキシン対策に負う国際的責任も重大です。
ついては、ダイオキシン摂取レベルを1pg/kg/day未満を目指して減らしてゆくという方向性を打ち出すべく、耐容一日摂取量の早期再検討とそれに基づく厳しいダイオキシン対策措置を求めます。

尚、本日の合同会議が公開性とされたことは、一定の前進であると考えますが、環境政策の立案には市民参加が重要かつ不可欠です。今後の一連のダイオキシン対策の検討に際しても、透明性と、市民が意見を述べる機会を確保することを求めます。

以上

グリーンピース・ジャパン
事務局長、志田早苗