5月26日(水)日本時間午前4時に予定されていた、日本向けのMOXプルトニウム燃料がベルギーのデッセルからフランスのラ・アーグ向けにトラックで輸送されることになっていたが、理由不明のまま延期になっていたことが判明した。

ベルギーで製造されているのは、東京電力福島原子力発電所向けのもの合計32体のプルトニウム燃料集合体だが、第一回目の輸送では、そのうちの8体(50~60kgのプルトニウム)が1台のトラックで運ばれる予定である。
これらは、ベルギーのデッセルにあるベルゴニュークリア(Belgonucleaire)のMOX製造プラントで製造され、そこから約1kmほど離れたFBFC(Franco-Belge de Fabrication de Combustible International)のプラントに運ばれ、ラ・アーグに輸送される。その後日本出港時まで、ラ・アーグで保管されることになる。現在8体は、FBFCで輸送を待っている状況である。

ベルギーとの契約内容は、これまで秘密にされてきた。
ベルギーは、ここ何年も武器転用可能なプルトニウムの核拡散に手を下してきた。そして欧州から日本へのMOXプルトニウム燃料の輸送についてもまた危険な役割を新たに果たしている。ベルギー政府が武器転用可能な物質の輸送に関係している点について、グリーンピースは、政府に対し実情を明らかにし輸送周辺住民の安全と防衛のために輸送を中止するよう要請している。この輸送を行うことで、ベルギー政府は、日本への余剰プルトニウムを供給するという、核拡散へさらに手を下すことになるのである。

第一回目の輸送は、日本時間明日未明の可能性もありグリーンピースは、24時間体制でFBFCのプラント側で待機している。