グリーンピースの会員を始めとする、市民からの玩具の脱塩化ビニルを求めるはがきに対して(株)バンダイ3才児未満を対象とした玩具については口に入れる部分では100%塩化ビニル以外の素材を使用していること、その他の部分でも可能な限り塩化ビニル以外の素材を採用していることを、昨日書簡で回答した。

国内最大手玩具メーカーのバンダイが、塩化ビニルの問題を認識し(1)、消費者の不安の声に応えて塩化ビニルの使用を避ける努力をしていること(2)、そしてこのことを消費者に向けて表明したという今回の対応を、グリーンピースは歓迎する。
「塩化ビニルの化学物質の問題につきましては、当社ではいわゆる環境ホルモンの疑いがあるとされている「フタル酸エステル類」「ビスフェノールA」に関する件、また、不用意に焼却するとダイオキシン発生源となるということ、この2つの問題があるととらえております。」

「予防原則にそった対応を望む声があることも強く認識しており、可能な限りの対応はすでに実施しております。例えばお客様がご指摘なさっております舐めたり噛んだりすることを考え、3才未満のお子様向けの製品では口に含む部分では100%、それ以外の部分でも可能な限り塩化ビニル以外の素材を採用しております。」

(株)バンダイから、葉書を送付した消費者へ回答した書簡より

グリーンピース・ジャパンでは約一年前から脱塩ビキャンペーンを行ってきた。すでに玩具の脱塩ビを達成し、あるいは目標を打ち出して努力している国内メーカーが現れているが、これまで、大手メーカーからは明確な見解の表明がなかった。今回の(株)バンダイの対応はその先駆けとなるとみられ、これに続くメーカーが現れることを期待する。

明日4月16日(金)グリーンピース・ジャパンは、主に玩具メーカー向けのセミナー「未来への選択~子どもむけ玩具における脱塩ビの流れ」を主催する予定である。



[バンダイからグリーンピース・ジャパンへの手紙(4/14)]


グリンピースジャパン
おもちゃキャンペーンご担当様
1999/04/14

平素より大変お世話になっております。お問い合わせしたいことがあり、ご連絡させていただきます。
下記のお葉書を多数いただいておりますが、これはグリンピースジャパン様の会員からのお葉書でしょうか。当方の勘違いでしたら、お手数で申し訳ございませんがその旨ご連絡ください。またグリンピースジャパン会員、サポーター様のお葉書でしたら、別途の当社返答をなんらかの形でおつたえいただければと思います。
本来で有れば個々の皆様にご返事差し上げますのが礼儀かと存じますが、多量であること、お名前のみの方もいらっしゃることもありまして、勝手ながらお願い申し上げます。皆様のお声はしっかりとうけとめさせていただき、当社対応方針検討の参考とさせていただきますので、よろしくお伝え下さい。

株式会社バンダイ 品質保証部 CS推進課 川井牧夫


——-(葉書の例1枚がコピーされています)——-


バンダイ(株)御中

前略

わたしは、子ども向けのおもちゃに塩化ビニルが使われていることを心配しています。軟らかい塩化ビニルのおもちゃには有害な化学物質が含まれていて、子どもがおもちゃで遊んでいる時、特になめたり噛んだりするとその化学物質を摂取してしまう恐れがあるからです。

草々



拝啓

平素より当社商品をご愛用いただきましてまことにありがとうございます。
また、この度は貴重なご意見をいただき、重ねて御礼申し上げます。
お手紙でご指摘いただいております塩化ビニルの化学物質の問題につきましては、当社ではいわゆる環境ホルモンの疑いがあるとされている「フタル酸エステル」「ビスフェノールA」に関する件、また、不用意に焼却するとダイオキシン発生源となるということ、この2つの問題があると捉えております。ご存じのことと思いますが、いずれの問題も科学的、社会的な結論は出ておらず、当社としては塩化ビニル製品の製造販売を継続する方針です。
ただ、予防原則にそった対応を望む声があることも強く認識しており、可能な限りの対応はすでに実施しております。例えばお客様がご指摘なさっております舐めたり噛んだりすることを考え、3才未満のお子様向けの製品では口に含む部分では100%、それ以外の部分でも可能な限り塩化ビニル以外の素材を採用しております。
当社は、安全性を第一に考えた製品作りを目指しております。環境ホルモン問題に関しても科学的な知見にばらつきがあります現在、明確な対応を打ち出すことは困難ではございますが、継続的かつ段階的に対応をしてまいります。
どうぞご理解いだだき、引き続き当社商品をご愛用いただきますよう、お願い申し上げます。

敬具

株式会社バンダイ
開発本部 品質保証部
部長 野村勇