子どもが目を輝かせて手に取るおもちゃ。
有害物質フタル酸エステル可塑剤を
多量に含む軟質塩化ビニル…。
欧州ではどのような検討や対策が
進められてきたか?
メーカーや小売店のポジティブ・ステップは
どのように進んでいるのか?


小さな子どもがなめたりかんだりしやすいおもちゃの中には有害なフタル酸エステル類の可塑剤を含む軟質塩化ビニルで作られたものがあります。現在日本では、フタル酸エステル類の毒性といえば内分泌撹乱作用の分析に偏っていますが、欧州や米国では発がん性や腎臓、肝臓毒性などを重視した検討が行われてきました。欧州連合レベルの議論が続いている間にも、有害物質の使用を避けるべきという方針を打ち出した国や企業では、代替品への評価も早くから検討され、昨年のうちに塩ビまたはフタル酸エステル類を含まない製品を発売するための計画が始められています。

今回、グリーンピース・ジャパンでは、欧州での塩ビ玩具規制の動向や毒性評価の状況について最近の情報を提供するとともに、代替品へ移行する際に配慮すべき事項や可能性を考えるため、二人の専門家によるセミナーを企画いたしました。塩ビ依存からの脱却は、玩具だけではなくすでに多様な分野で進められています。環境、健康の問題など今日の消費者とビジネスを取り巻く条件のもと、本セミナーでは今後の方向づけとして重要かつ不可欠な情報を提供できるものと確信しております。皆様のご参加をお待ち申し上げます。


日時:1999年4月16日、13:00~16:00(金)
(開場は12:45)

場所:全理連ビル、9階会議室
渋谷区代々木1-36-4(JR代々木駅西口下車、徒歩3分)
Tel. 03-3379-4111

定員:80名
(定員になり次第、締め切らせていただきます)

参加費:5,000円(同時通訳付)

第一部
軟質塩化ビニル玩具に添加されているフタル酸エステルの問題点と、欧州における対策検討の経過

講師:スレシュ・ラストーギ博士
デンマーク国立環境研究所研究員

第二部:軟質塩化ビニル玩具の代替プラスティックの評価
講師:ジョエル・ティックナー
米国マサチューセッツ大学準教授

申込先:グリーンピース・ジャパン
Tel. 03-5351-5400・担当:樫本



セミナー講師のプロフィール
スレシュ・ラストーギ博士
デンマーク国立環境研究所研究員

デンマーク国立環境研究所環境化学部の科学者。インド、アラバダ大学で博士号を取得。これまでにデンマーク環境保護機関、北欧閣僚協議会、CEN(欧州規格機関)、欧州連合などへ技術的なレポートを提供してきている。デンマーク化粧品アドバイザー委員会のメンバーとして欧州連合の「化粧品の分析方法」研究にデンマークの専門家として参画。CENによる「玩具に含まれる有機化学品の分析」研究の議長もつとめる。

ジョエル・ティックナー
米国マサチューセッツ大学準教授

米マサチューセッツ大学ローウェル校労働環境プログラム講師。同校「持続可能な生産」センターの研究員準教授。ボストン大学、タフツ大学などでも教鞭をとる。著書に “Protecting Public Health and the Environment:Implementing Precausionary Principle(保健と環境を守る:予防原則の実践)”Island Press, 1999共著。国立環境法センターをはじめとする米国内外の労働組合や環境保護団体にも、アドバイザーや研究員としてかかわる経験を持つ。